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・第248話・

腕に力を込め、身体を密着させ 唇を痛いほど押し付ける 少しでも離れないよう、離れてしまわないように 願った 及川さんも同じことを考えてる 分かるよ…… だって力を込めると、彼の腕の力も強まる 二人で抱き締め合って、 これでもかと言うほどくっついて、苦しくなっても どちらも弱めたりしない 体温を感じて 一人では得ることの出来ない この温かい苦しさを求めてる 「んっ、ふ、んんっ……ふ…ぅ……」 「…ぅ……んっ…」 舌先が少し触れただけで震えてた身体は、もうそれだけでは満足出来るわけがなかった。 彼が触れたら俺も舌を伸ばし、何度も 舌の感触を味わう ヌルヌルと滑らせ、上へ下へゆっくり揺り動かし 擦り合わせると 背筋が痺れ、頭がフワフワして 口腔がドロリと 甘く蕩けた 崩れそうになった身体に、拳に力を入れて意識を保ち 彼の服にシワを作り、しがみつく どんなに溶かされようと、押し付けた唇の力は緩めたりしない。 「ん、ふうぅ……んっ、んぅ…うぅ」 これだけでは足りなくなったのだろう どちらからともなく舌を伸ばし、強く絡め合って お互い同時に吸い合った 「んっ! ふ、う、うぅ……んぁ、ん、んっ…んんぅっ……」 熱い 及川さんの…… 隙間なくくっ付けられた2つの舌が、ヂュッジュッと音を奏でて 痛いほど絡まり合い 吸って、吸い上げて 舌を痺れさせて、頭の中をおかしくさせていく 鼻から抜ける息が熱くなって、口端から溢れだした唾液が頬を伝った あぁ……クラクラする…… でも、やめたくない とまらない…… 「ん、んん……ふ、ぁ…」 及川さん……もっと、欲しくなるよ… 潤み蕩けた瞳で彼を見つめると、熱い瞳で見つめ返される 舌を絡め合ったまま、握った拳を解いて 彼の背中を撫で、下へと滑らす。 服の裾から手をスルリと忍び込ませた 及川さんの肌に直に触れた しっとりと汗ばんだ彼の背中…… 触れただけで、じんわりと熱が手から全身に行き渡って 熱すぎるのに、心地良いと感じた もっと素肌の感触を確かめたい…… もう片方の手も服の中へ滑り込ませ ゆっくり、背筋、脇腹を撫で上げ 両手で熱を感じとる…… 夢中で彼の体に手を這わせていると 及川さんが密着させていた身体を少し浮かせた。 離れてしまった身体がこれ以上離れてしまわないように、慌てて背中を撫でていた腕にまた力を込めようと動いた その時、彼の手が俺の胸に荒々しく触れた。 「んぁっ!」 俺の身体が大きく大袈裟に跳ねた。 忙しなく胸の上を移動する手の動きに、鼓動が早くなっていく。 敏感なところに触れる度、身体が揺れてしまうのを止められない。 「ん、ふっ、ふうぅ、んっ、ん…んぅっ!」 胸をまさぐられながら、塞がれ絡め取られたままだった舌を思いっきり吸い上げられると、 また身体が揺れてしまう。 うぅ、気持ちいい…… 及川さんも同じようになってほしい そう思ったら、もうこの手は止まらない。 彼の背中を撫でていた手が、自然と前の方へと移動していく。 汗で滑りやすかった手は、簡単に彼の胸へと行き着いた。

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