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第263話

透き通った綺麗な涙も、優しい笑顔も、彼の愛情全てが俺に注がれて…… 俺のことばっか考えて、夢中になって 大切に愛されて、 そして大切に愛す 「俺は、もう壊れてます。 壊れてしまった、そんぐらいあんたのこと愛してます!」 涙を拭って、強気に笑って見せる。 拭いきれなかった涙を指で掬って、そっと頬を撫で優しい感触を与えてくれる及川さんに、強気で居続けるなんて出来なくて また瞳が潤む 「あんたのためなら、裸のまま外にだって飛び出して、探して抱き締めてやる! それぐらい出来てしまうほど壊れてるんです俺は!」 「ダメだよ!!」 「えっ!?」 優しく触れながらそう強声を張った及川さんに、驚いて目を見開いた。 そんな俺に何故か彼も驚いた顔してから、指先と同じように優しい笑顔を浮かべた。 「なんでそんな顔するの? だってダメでしょ。 俺のこと壊れちゃうほど愛してくれるなら、他の奴に裸見せちゃダメ! 飛雄の全ては俺だけのものなんだから。 だからね、例えば俺が悪い奴に捕まって、裸になったら俺を解放してやる! とか言われても、それでもお前の裸を見て良いのは俺だけなんだからさ、絶対なっちゃいけないんだよ!」 「ふはっ……なんすかそれ? 悪い奴に捕まる前に、あんたならそんな奴らぶっ飛ばせるでしょ?」 「もぉ~、例えばの話!」 「だったらそれが逆で、及川さんが裸になれとか言われてもなっちゃダメっすよ。 及川さんの裸も俺だけのもんっすから!」 「当たり前でしょ! 俺の裸もお前にしか見せないし、見せたくもない! だから、浮気も絶対ダメだよ! 女の人が近付いてきて、体を触って、誘惑してきても、直ぐに逃げないとダメだからね!」 「そんなんあり得ねーけど、想像しただけで鳥肌が立ちました。つーか、女にいっつも狙われてるのはあんたの方だろ! 気を付けてください」 「あり得ないことないでしょ? お前、気付いてないと思うけど、かなりイケメンの部類だよ?」 「俺が? イケメンは及川さんだろ?」 「やっぱり気付いてない~! 気が付かない内に、浮気してましたとか止めてよね!」 「浮気なんてしません! 及川さんこそ浮気一回でもしたら、絶対許しませんからね!」 「俺はこんなにもお前のこと愛してるんだから、浮気なんか絶対しません!!」 「それはこっちのセリフです! 俺がどれだけあんたのこと好きか、さっき説明しただろ!」 「好きすぎて、壊れちゃったんだよね?」 満面の笑みを浮かべて言われた言葉に俺は勢い良く頷いて、真っ直ぐ彼を見つめる。 「そうです! 最近の話じゃなくてかなり前、出会ってあんたのこと好きになったあの時から、壊れてるんだと思います」 「言ってくれるじゃん…… 俺だってもう、お前のこと好きすぎて壊れちゃってるんだからね!」 「及川さんは、壊れてるんじゃなくて、壊れそうなだけだろ? そうさっき言ってましたよね? もうとうの昔から壊れてる、俺の方が上だ!」 勝ち誇った顔でニヤリと笑ってやると、彼は悔しそうに、でも嬉しそうな顔でニヤリと笑った。 「そうだね。こんなにもたっくさんキスマークつけてくれて、 更に唇とか、おちんちんにも噛みついてしまうほど情熱的に愛してくれてるんだもんね」 「あっ……か、えっ……っ!」 さっきまでの余裕はどこへやら、ブワブワーーっと一気に顔が熱くなっていく。 「もう完全に壊れちゃってるよね。 もうこの際、粉々になるまでぶっ壊れてよ」 「~~~~っ!」 「それでさ、俺の体を飛雄以外に使えない、見せられなくなるぐらいまでぶっ壊してくれたらさ、浮気だって出来ないし、お前の不安も消えるでしょ? まぁ、もうとうの昔にぶっ壊されてるけどね……お前に……」 「こ、粉々にぶっ壊してやりました……ザマーミロ!」 「ふふっ……うん! それだけ俺に夢中になって、他のこと考えられなくなるぐらいまで、常に毎日、俺のことだけ考えててよ……」 「いっつも及川さんのことばっか考えてますよ、俺は……」 「今よりもっと、もっともっとだよ! 俺ももっともっともぉーーっと! お前のことばっか考えるよ。 これからもずっと!」 「もう、めちゃくちゃあんたのことばっか考えてるのに、それよりもっともっとっすか?」 「そ。もっともっともぉーーーーっと! 頭の中全部、お前のことでぎゅうぎゅうにいっっぱいにして、いつも大大大好きで愛しまくってたら、寂しい気持ちなんて、入り込む余地なくなっちゃうよ!」 「あ…………」 「ねっ! これでもう、俺もお前もお互いでいっぱいだね!」 及川さんが言おうとしてること、分かった…… 東京行って、離ればなれになっても……お互いのことばっかいつも考えてたら、寂しさなんて感じられなくなる…… そう、言いたいんですよね? きっとそんなに甘くない。 及川さんが東京に行ってしまったら、 寂しくて、苦しくて、押し潰されそうになるに決まってる でも……そんな時は、及川さんも俺のこと考えてくれてるって思ったら…… 寂しさも薄れて、笑顔になれる。 そう、言いたいんですよね……及川さん 「いっぱいいっっぱい、もっともっともっともぉーーーーっと……俺のことだけ考えてて…… ね、飛雄!」 「うっ……あ……ハイッ!」 体全体を使いながら、大きく手を振って、愛がどれだけ深くて大きいか表現してくれる及川さんが、 可愛くて、愛しくて愛しくて堪らない…… 涙がまた、溢れて、止まらなくなるじゃねーか! もうこれで、寂しくないって言ったらやっぱり嘘になるけど…… ありがとうございます及川さん……

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