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・第290話・

スゲー心臓がうるさくて、及川さんの言葉にずっと疼きっぱなしだった下半身が更に反応しているのが分かる。 俺、今スゲー期待してる ヤバイぐらい…… 呼吸がだんだん荒くなって 思わずゴクリと喉を鳴らした それが聞こえたのか、及川さんが小さく笑った。 『トビオちゃん、もう興奮してんの? まぁ、昨日からおあずけをくらった感じになっちゃってるからね〜 こりゃもう頭の中そのことしか考えられなくなってんでしょ〜? 今日一日中及川さんのことばっか考えてて、トイレの中とかで、 及川さん俺を気持ちよくして下さい〜とか、 及川さんがいないと俺はもうダメだ! 今すぐ及川さんがほしいよ〜 とか叫んで、妄想とかして、ムラムラムラムラしっぱなしだったんでしょ?』 「なっ!…………う、うぬうぅぅぅ~……」 『ほんとイヤらしい子だねトビオちゃんって♡』 くっ、くっそぉーー! 全部当たってやがる! でも、それは全部 「全部あんたのせいだろ!!」 『フフッ分かってるよ。 そーだよ。飛雄を及川さんなしじゃ生きていけれない身体にしちゃったのは、紛れもなくこの及川さんだからね。 だから安心して、全部この俺が責任取るよ。トビオちゃん……』 さっきまで笑いながらからかって俺の羞恥を掻き乱してたくせに、突然そんな色っぽい声出すなよ…… 『飛雄……』 ほらまた、そんなエロい声で名前呼ぶなよ…… 名前呼ばれただけなのに、中心がピクッと反応してしまう。 『飛雄も俺の名前呼んで……』 「お、及川さ、ん……」 『フッ、声震えてんじゃん。興奮してきたね…… ねぇ飛雄、もしかしてもう勃ってる?』 「ッ!?」 及川さんにそう言われて目線を下の方へ向けてみると、彼の言葉通り中心が盛り上がってしまっていた。 「あ……」 嘘だろ!? まだ触ってもないのにこんなになってるだなんて! 及川さんの声を聞いただけでこんな…… 『やっぱり勃っちゃったんだ? フフフッ、早すぎだよ?』 「なっ!! たっ、勃ってねーし!! 及川さんこそ妄想のしすぎじゃねーですか!?」 またからかうように言われてカァッと顔が熱くなって、思わず嘘をついた。 だけど彼は楽しそうに笑ってから、またさっきみたいに色っぽい声を出して俺の耳を蕩けさせてきた。 『嘘つくな。全部分かってんだよ』 「あ……何で……?」 『飛雄のことなら全てお見通しだって言っただろ』 何で俺のこと何もかも分かるんだよ。 ほんとすごい…… 実は近くに居て、ずっと俺のこと見てるんじゃないかって思うほど、彼は俺の全てを知っていて。 好きな人に自分のこと何もかも知られてるって、なんかゾクゾクする…… 『もうビンビンに勃って、我慢出来ないんでしょ? ……触りなよ』 低い声で囁くように言われて、また身体がゾクゾクと震えた。 及川さんの命令に手が勝手に動いて、自然と下の方へと伸びていく。 恐る恐るズボンの中に手を入れようとしたその時、 『直接触っちゃダメだよ。ズボンの上から触って』 「えっ!」 ズボンの中に手を入れようとしてたことまでバレた。 俺の行動一つ一つまで全て把握済みってことか…… 『直ぐ気持ち良くなるより、焦らして焦らしまくった方がもっと興奮するから。 その方が身体も喜ぶよ』 身体も喜ぶって……なんつーこと言うんだよ…… ジワジワと顔が熱くなっていく。 『飛雄焦らされるの好きだったでしょ? ほら、ズボンの上からゆっくり優しく撫でてごらん』 及川さんに焦らされた時はスゲーもどかしくて、早く触ってほしくなって、頭の中ぐちゃぐちゃになってた。 だから、焦らされるのは好きじゃなかった。 電話なんだから彼の言葉は無視して、思いっきり触れば良いのに、それなのに…… 逆らうことが出来ない…… 身体は彼の命令に忠実だった 俺は緊張で震える手をなんとか動かし、彼の言葉に従いゆっくりと盛り上がったそこを優しく撫でてみた。 「んぁっ!」 少し触れただけなのに、この身体は大袈裟なほど大きく戦いた。 昨日オナニーしようとした時は、いくら擦っても勃つことすらなかったのに、今はほんの少し触っただけでこんなにもゾクゾクしてしまう。 学校でだってずっともやもやして、ウズウズムラムラして、それなのに及川さんはいない どうしたら良いか分からなくなって、困惑していたと言うのに、 今はどうだ? 彼の声を聞いただけでこんなにイヤらしく反応して、 ちょっと触っただけで気持ち良くなって、 昨日とは違う、別人の体みたいだ。 『あー……飛雄のその声ずっと聞きたかった。 やっば………… ねぇ、もっとエッチな声聞かせて飛雄』 「え、エッチな声って……」 『もっと手ぇ動かして。先っぽグリグリ擦ってみてよ』 「先っぽをグリグリ……こうか?」 呟きながら膨らみに添えていた手をピンと開いて、掌を滑らすように擦り付けた。 そうした途端、ビリっとした快感が身体を駆け巡った。 「んあぁぁっ! はっ、あぁ……」 久しぶりの快感に驚いて、思わずそこから手を離した。 これだけのことなのに、息が上がって苦しくなる。 『いい声…… 飛雄やめたらダメだよ。続けてよ…… 及川さんにその声もっと聞かせてよ』 「や、あの……恥ずかしいです……」 このエロい声は何回も聞かれているのに、やっぱりなかなか慣れないし、電話だと意識したら余計に恥ずかしくなる。 だって及川さんはスマホを耳に当ててるから、俺のイヤらしい声が直ぐ傍で彼の耳に響いてしまうなんて、恥ずかしすぎるだろ。 『恥ずかしくても、聞かせて。 もっともっと聞きたいよ。 それにたったそれだけの刺激でお前は満足してんの?』 「えっ、あの……うぬん……」 『満足出来ないでしょ? だったら、もっと手動かしな』 彼の言う通り、膨らみはもっと刺激を求めてひくひくしている。 あれだけじゃあ全然足りない。 恥ずかしいと思いながらも俺は刺激が欲しくて、思わず生唾を呑み込みながら離した手を膨らみに近付けた。 「んっ……」 触れただけでヤバい…… それでも手を止めたらダメだ。 また掌を使って、膨らみの一番上に押し付けた。 「ンンッ!」 何度も何度もグッグッと強く押し付けてみる。 「んっ、んっ! ンンッ、ぅ」 押す度に声が漏れる。 あぁ、ヤバい…… 押して、力を弱めたらまた刺激が欲しくなって、何度も繰り返してしまう。 恥ずかしかったはずなのに、手を止められない。 「うっ! はっ、んんっ、あっう、んぅっ!」 あぁもう、何度も押し付けてしまう。 『いい……良いよ飛雄…… 耳やば…… ねぇ、今度は手で包み込んで、握ってみてよ』 「う、あ……は、い……」 頷いて俺は、慎重に指を折り曲げて膨らみを包み込み、恐る恐る握ってみた。

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