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・第292話・
ズボンを下げた瞬間、視界に映った銀色に光る厭らしい糸。
下着と屹立を繋いでいたそれは、忙しない動作に耐えきれなくなって、プツッと切れて垂れ下がる。
キラキラと光り下着が濡らされたその光景に、顔がどうしようもなく熱くなっていき、ゴクリと喉を鳴らした。
そり勃った先端からも、銀色に光った蜜が溢れ返って、物欲しそうに震えている……
あぁ、早く直に触りたい
しっかりと固くなった昂ぶりを、忙しない手付きで勢い良く鷲掴んだ。
「ンンッ!」
勢いをつけすぎた。
自分がした事なのに、その強い刺激に思わず上擦った声が上がってしまう。
そのビリッとした衝撃に一瞬怯みながらも、自然と手は動いていく。
「う、あぁ……あ、んっ、うっ…」
ヤバい……これ
ヌルヌル手が滑って、気持ちいい……
手を動かせば動かすほど先走りがトプトプと溢れていく。
その光景が物凄く厭らしくて、なんだかいけないことをしているように感じた。
恥ずかしいのに、止まらない……
「んあぁ……ハァ、ハァ……あ、うっ…ん、んんぅっ……」
『フフッ、気持ち良さそ……
ねぇトビオちゃん、気持ちい?』
「あぅっ…うっ……そんな、こと…聞くな、ボゲェっ……」
エロい声も止まらない。
そんなこと聞かなくても、分かってんだろ!
「んっ……ハァ…ほんと、意地悪いな、あんた……ふぁ、ぁぁ……」
『ハハハッ、悪口言いながらチンコ弄り続けるなんて、お前はほんとやらし~ね』
「ボゲェ……」
昨日はあんなに触っても、擦っても、ただ痛いだけだったのに
及川さんの声を聞いただけで俺の陰茎はこんなにも濡れて、トロトロのヌルヌルになってしまった。
同じ自分の手で触れているというのに
こんなにも違うのか……
彼の言う通り、俺は本当に厭らしい奴だ……
『ねぇ飛雄、今お前下、全部脱いでんだろ?』
「うぇっ? ど、どおしてそんなこと……?」
『お前すんごい興奮してたからさ、狭いパンツの中に手を突っ込んでなんてもどかしくて煩わしいことせずに、一思いにガッとパンツごと脱いでそうだなぁーと思って』
「……ッ!」
まったくその通りすぎて、否定も言い訳も出来ない。
確かに我慢出来なくて一気に脱いだけど……
ほんとこの人、俺のことなんでも分かってるな
『黙ってるってことは当たりなんだね』
「……うぬん…」
『ハハッ! 全部脱いで、先走り滴らせたチンコ弄りながらエッチな声出して、顔真っ赤にしてんでしょ?』
「……ぐぬぬっ!」
そーだよ! 確かにその通りだけど、なんつーこと言うんだよ!!
『そんな飛雄のエロい姿想像したらさ……ヤバい
俺……すんごい興奮する……』
「なっ何言って! そんな恥ずかしい想像しないで下さい!」
『無理だろ……
こんな耳元で好きなヤツのやらしい声聞いてたら、興奮しない方がおかしいだろ……』
熱っぽく揺れた彼の声。
『俺の頭ん中は常に、お前のエロくて厭らしい姿でいっぱいなんだよ。
いっつも想像して妄想が止まらないんだよ……』
「な……んだ、そ、れ……」
何恥ずかしいことばっか言ってんだよ!
でも……それってつまり、及川さんはいつも俺のこと考えてくれてるってことだよな。
あんたの頭の中には常に俺が存在してるってことで……
なんだよ、それ……
そんなの、もっと興奮するじゃーか!
「お、俺も……あんたの声、耳元で聞いてたら……
その……す、スゲー興奮しました……
それに、俺だって、あんたのエロい姿想像しながら……あ、アソコ弄ってます……」
何言ってんだ俺……
スゲー恥ずかしいこと口走ってしまった。
勝手に唇が動いて、言葉が飛び出してしまったんだから仕方ない。
そんな俺に彼は何とも言えないくぐもった声で唸った。
『な、だっ、もぉ〜〜〜〜っ……
お前それ、ヤッバ……!
飛雄の中の俺は、どんなエロい姿してんの?』
「えっ!? そっ、そんなの言葉じゃ表わせねーぐらいエロいです……」
『なんなの…それ……』
彼の頬が赤くなって、エロい顔で
逞しい身体
優しく触れてくれる手、愛しい温もり
形の良い唇、甘い囁き……
色んなエッチな彼の姿……
それらは、エロくて、でもとても綺麗で美しくて、
そんなの、俺の拙い言葉じゃあ言い表せない……
『どんだけエロいんだよ……お前の中の俺は……』
「ヤバいぐらい、有り得ねーぐらいエロいです」
『フッ……飛雄の、スケベ!』
「なっ! あんただってそーだろ!!」
『そーだよ。お互いスケベなんだからさ、もっとエッチで、厭らしいことしよーよ』
耳元で艶かしく響いた彼の吐息混じりの囁きに、身体がゾクリと戦慄いた。
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