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第5話

ちゅっ、ちゅっ、と唇から首、 鎖骨、胸、お腹、腕へとキスをされて 指先を甘噛みされる。 ただ、全身にキスをされてるだけなのに、 それなのに、どこか焦らされているように感じて。 「ん、八神ぃ。」 涙目で八神を見つめると、 「どうした?」 なんて分かってるくせに聞かれるから。 「ちゃんと、、触って。」 八神の腕を掴まえて、俺のモノに触れさせる。 でも、八神は俺のモノを握ることも撫でることもせずに サッと手を離して、また俺の唇にキスをした。 「んあ、や、がみ?」 まだ、怒ってんのかと八神を見ると 「触ってほしい?」 なんて聞かれるから素直に頷く。 「じゃあさ、」 耳元で囁かれた、お願い。 目を見開いて、戸惑う俺に 八神は、苦笑しながら言う。 「俺の名前知ってる?」 知ってる、知ってるけど。 耳元で囁かれた、お願い。 …『俺の名前を呼んで。』 好きな人の名前は当然知ってるけども なんか、恥ずかしくて今まで呼んだこともなかった。 黙った俺を見て、八神は 「言えない?」 なんてちょっと悲しそうな顔をする。 そんな顔されたら、やっぱり言うしかなくて 「…りゅ、う」 声に出した瞬間、恥ずかしくて手で顔を覆うと (りゅう)は、俺の手を掴んでキスをした。 「何で、そんな可愛いかな。」 そう言って抱きしめられて 今度は深い深いキスをされる。

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