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【R18】シエルベートのお願い(1)

 シエルと交際を始めて2ヶ月くらいが経つ。お互い仕事をしながらも、休みが合えばデートをするようにしている。  この間は近くの人族の国まで遊びにいった。シエルは人族の国は初めてだったらしく、白い肌を興奮に染めてはしゃぐ姿はとても可愛かった。  勿論、夜の関係も続いている。最初の辿々しさは少しずつなくなって、ぎこちなさもなくなってきた。それでもそうした空気になると未だにお互い顔が赤くなって、モゴモゴと「今日は、いい?」「あぁ、うん」なんて畏まって言い合う場面は健在だ。  そんなシエルが俺に突然お願いをしたのは、とある日の夜の事だった。 「あのねロアール、僕お願いがあるんだけれど」 「なに?」  情事後の気怠い体を横たえ、シエルの体を腕に抱いていた俺は反応だけしている。今度のデートどこに行きたいとか、何が食べたいとか、どこかに旅行とか、そういう話だろう。俺はその程度に考えていた。 「あのね、僕ロアールにね…その……入れて欲しいの」 「あぁ、う…ん? ん!」  求められたお願いに、俺は曖昧に返事を……できなかった。何か聞いた! 「え? それってその、俺のを受け入れるってこと?」 「うん。あの、だめ?」 「だめって…」  俺は自分の下半身を思わず見てしまう。  既に情事の後で2度ほど出した後で通常サイズになっているが、それでも大きいだろ。  これはべつに俺の個人的な見解じゃない。軍の仲間と一緒にシャワーを浴びると、当然見える。俺のを見た仲間が息を呑んで「お前の凶暴だな!」と言ってマジマジと見るんだ。  当然そういう仲間のそこも見えるんだが…たしかに一回りは大きい…。 「シエル、あの、無理はしない方がいいと思う。ってか、俺とのセックス、不満? あの、よくない?」 「違うよ! そういうんじゃなくてね、あの……僕もね、ロアールの子供一人くらい産みたいなって」 「え?」  思わぬ言葉に、俺は驚いてシエルを見る。真っ赤な顔で、でもとても必死な表情で、シエルは俺に言ってくる。 「母様と父様を安心させてあげたいから、最初はロアールに産んで貰いたいんだけれど、でもその後は…僕も一人くらい、ロアールの子産みたいなって。だからね、その前にロアールを受け入れられるようにしたいし。それに、その……ロアール気持ちよさそうだから、受け入れるのも気持ちがいいのかなって」  驚いたけれど…でもなんか、凄く嬉しいのも本当。俺が受け入れる方が絶対楽だし、スキルもあるし、体力もあるから負担すくないから産む方でいいと思ってた。  でも、産んでくれるって言われると疼かないわけじゃない。 「ロアールは嫌? 僕じゃ、頼りない?」 「そんな事ない!」 「じゃあ、いい?」  子犬のようなキラキラわくわくした可愛い顔でそう言われて、俺が「ダメ」って言えるはずがない。「あぁ、う、ん」という歯切れの悪い了承をしたのだった。

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