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【R18】シエルベートのお願い(4)
翌日の日中、兄上に呼ばれて私室へと向かった俺の前にいたのは、俺の最も苦手な人だった。
「あっ、あ、あぁあ! アンテロ様!」
兄上の友人で、緑竜の王太子アンテロ様は昔から俺達兄弟とも縁が深い。
その中でもなぜか、俺はこの人から色んな事をされた。かくれんぼをして閉じ込められたり、寝る前に怖い話をして放置したり。
それでも、俺が失敗すると兄上と一緒に庇ってくれるし、何かと力もかしてくれる。だから悪い人じゃないのは分かる。頬をグニグニされながら「お前はリアクションが大きくて面白いね」と、凄くいい笑顔で言われた事があった。天敵だ。
「おや、ロアール君? 魔力操作を習いたいというのは、もしや彼かい?」
側の兄上が頷いている。ってことは、適任の講師ってのはアンテロ様なのか…。
「じゃあ、対価を払うのもロアール君でいいのかな?」
「対価?」
そんな話聞いていない。俺はマジマジと兄上をみたが…平然としてる。つまり、答えはイエスだ。
「なるほど。そういう事なら手取り足取り教えましょう」
とても嬉しそうないい笑顔。こういう時、この人のやることはとんでもない。
パチンと指を鳴らした途端、俺のズボンは下着ごと下に落ちる。そして露わになった俺の息子にスライムみたいな物がまとわりつくのだ。
「なっ! あっ、こら!!」
「あぁ、ダメだよ乱暴したら。大丈夫、型を取るだけだから」
「な…」
なんだってぇぇぇぇぇ!
俺の何にまとわりついたそれはやがてカチンコチンに固まって、綺麗に半分に割れて下に落ちた。
「綺麗に取れましたね。欲を言うなら完勃ちしたものがよかったけれど」
「なっ、あの、それ…」
「ん? これをベースに、張り型を作るんだ。ごく稀にいるんだよ、君くらいの太くて長くて立派な物を受け入れたいっていう変態がね」
俺の頭には昨日見たあれが蘇っている。そして俺のナニはあれのベースになって……。
「いっ、嫌だぁ! 恥ずかしすぎる!!」
「大丈夫、生で型を取ったなんて誰も思わないんだから」
「うぅぅぅぅ。お嫁に行けないぃ」
「シエルが嫁に貰う事が決まってるんだ、安心しろ」
心の問題だよ、兄上。人としての繊細さをどこに置いてきたの兄上ぇ。
「出来たら君にも一つあげるよ。お礼にね」
「いらない…」
それを俺にどうしろと言うんだ、アンテロ様…。
「さて、いいもの貰ったらその分しっかり教えてあげるね」
そう言うと、アンテロ様は何かを取り出す。それはプルプルした水色の球体。その真ん中にはキラキラした宝石の様なものが浮いている。
「これはね、スライムから作ったものだよ。真ん中の核は魔力が宿っていて、周囲のゼリー体に微量の魔力を行き渡らせている。この魔力に干渉して、思うように操るのが魔力操作の基礎だよ」
「魔力操作?」
聞いた事はある。兄上はこれが得意で器用なんだ。でも俺は苦手。繊細さが足りないと言われた。
アンテロ様はその球体に指先で触れた。すると指はズブズブと中に埋まっていく。
「指に魔力を纏わせて、干渉して受け入れるように指示を出しました。これをもう少し干渉を深めていくと…」
「わっ」
指を中心にゼリー体が丸く穴を開けていく。なのに体が崩れる事はない。
「君がやることは、人体に干渉すること。中に指を潜り込ませ、そこに魔力を集中させて干渉し、窄まりを緩めていくようにイメージをする。ついでに中が濡れるようにイメージすると、しっとりと濡れてきます。そうすれば解れるのは早く、大きな君を受け入れる事に無理がなくなってくる」
「凄い!」
「けれど、力加減を間違えてしまうと」
途端、ゼリー体が勢いよく中からはじけて散らばっていく。俺はそれを見て青くなった。だってこれがシエルだったら…。そう思ったら怖かった。
ゼリーはしばらくすると核を中心にもとの形に戻っていく。アンテロ様はそれを、俺に渡した。
「慎重にすることですよ。力を込めすぎると今のように壊してしまう。弱ければ思うような効果を得られない。繊細さと、魔力の調整がしっかりできないなら止めなさいね」
受け取った俺は、ジッとそれを見つめていた。
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