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【日常・R18】エッツェル留学記8(3)

 ふと、優しくグランが笑って、僕の髪を撫でる。額に、眦にキスをする優しい動きは、快楽とは違う優しいむずむずをくれる。 「何の役に立つのかと思ってたけれど、真面目に聞いていて良かった」 「うん、グランは勉強熱心だもん。僕、今とっても蕩けちゃいそう。気持ち良くて、頭の中がグランでいっぱいだよ」 「…もっと一杯になって欲しい」  赤くなったグランが口元を手で隠して、そんな事を呟く。なんか、とっても可愛い。いつもの甘えるグランは大人っぽい顔をするのに、今はとっても幼く見える。  僕は手を伸ばしてキスをした。そして、嬉しくって沢山笑った。 「もっと、一杯にしてよ。僕はグランのものなんだって、教えて」 「エッツェル…」 「グランだけだよ、こんなに僕をえっちにするの。グランにしか、見せないんだから」  だから満たして。沢山愛して。少し乱暴でも、変質的でもいいよ。僕だけに見せてくれるのなら、僕は全部受け入れるから。  グランの目に、欲情みたいな炎が見えた。僕はそれも全部受け取って、身を委ねていられる。怖くもないし、とても幸せ。体も心も満たされていくんだから。  ぐちゅっと、沢山のジェルを纏わせた指が僕の後ろに触れる。僕の体はそれを難なく受け止めて、気持ち良くしてくれる。  誤解のないように、僕はこの行為の前に持っているスキルを明かした。  スキル「安産 Lv70」これが僕の受け継いだスキル。兄弟の中ではロアール兄上の次に高いスキルだ。当然、拡張スキルも継いでいる。だから抵抗はあまりないし、きっと気持ちがいいって。  グランは驚いて、また口元に手を置いた。その目が一瞬机の方を見たけれど、直ぐに首を振って僕を見てくれる。 「ふあぁ…」 「本当に、抵抗がないんだね」 「んぅぅ、ムズムズして気持ちいいよぉ。グラン、もっと動かして」  許した事のない部分は、それでもこの行為を気持ちいいと受け取ってくれる。グランがくれるものがとても気持ちいい。中を押し上げられるぞ、それだけで熱と一緒にわき上がるようなゾクゾクが全身に走る。  グランの瞳も濡れている。それと一緒に、黒い尻尾がゆらゆらしている。  魔人族のグランには、実は尻尾があるらしい。とても敏感な部分らしくて、普段は服の中にしまっているそうだ。 「ねぇ、グラン…」 「どうした?」 「僕も、グランのこと気持ち良くしたい」 「え?」 「グランの尻尾、触ってもいい?」  グランは少し困った顔をした。けれど直ぐに頷いて、僕の所に尻尾を降ろしてくれる。  僕は触れられるグランの尻尾を撫でた。三角形の先端を指で触れるだけで、グランの唇から熱い吐息が漏れている。気持ちいいんだって思ったら、なんだかとても嬉しい。  ふにふにと優しく撫でている。先端の三角形だけじゃなくて、繋がっている細い紐のような部分も撫でた。そこも気持ちいいのか、低く喘ぐ声が漏れてくる。  なんかとっても可愛い。僕の愛撫に気持ち良くなってくれるなんて、嬉しい。  僕は少し考えて、先端の三角形部分にキスをした。 「っ! エッツェル、もう…」 「やだ、もっとしたい。グランに気持ち良くなってもらいたい」 「いや、十分気持ちいいから。それに、あまりされると我慢が…」 「我慢なんてしなくていいじゃん」  僕は沢山気持ち良くしてもらったから、その分グランにも気持ち良くなってもらいたい。  思いきって、尻尾の先端を口に含んだ。そんなに大きいわけじゃないから、全部が口の中に入る。柔らかいそれを舌で転がして、歯を立てないように気を付けて僕はしゃぶった。 「ふぁ! あっ、コラ! んあぁ!」 「ひもひいい?」  途端に嬌声を上げたグランの体から力が抜けていく。そして、見上げた瞳を見て僕は驚いた。グランの瞳は紫じゃなくて、金色に変わっていた。 「エッツェル、離して…。さもないと、滅茶苦茶にしそう…」 「いいよ?」  というか、むしろ希望します。  驚いたように見開いたグランの、男らしい笑み。僕の後ろから抜け出た指の代わりに宛がわれた熱が、ミチミチと音を立てるように僕の中へと入ってきた。

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