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【イカレ竜・R18】もふもふ王国への野望(7)
変な期待をしない方が良い。それを、今日ほど思った事はない。
夕食の少し前にアンリが戻ってきて、今夜の事を伝えた。大きな耳がピクピク動いて、小さな団子の尻尾が嬉しそうに揺れていた。この種類、激しく尻尾が揺れるとお尻自体が少し揺れる。面白い発見をした。
でも、ネロが乗り込んでくる事はなかった。希望としては半ギレしながら乗り込んで、不満ぶちまけてくれる事だったんだけれどね。
風呂から皆で入ると、さすがに体力が持たない。一人でのんびりと湯に浸かって、今は主寝室にいる。
この寝室のベッドは獣人仕様のキングサイズベッド。主に複数で交わる事の多い獣人族らしく、使用人数の上限が七~八人という恐ろしいものだった。
バスローブを纏い、ぼんやりテラスから外を見ている。少しだけ、寂しい気持ちで。
そのうちに、ガチャリと音がして人が入ってきた。キャロルが湯上がりの上気した表情でこちらへと向かってくる。そして、同じくテラスから外を見た。
「今日は薬、使うのは止めましょう」
「ん?」
僕は突然の言葉に鈍く反応した。
別に、使っても良いと思っていた。最近は竜人族の出生率も良くなってきているとは言え、獣人や人族ほどには達していない。正直、一度の交わりで子が出来るなんて思っていない。
それに、もし出来ればそれは嬉しい事だ。王太子に子がいるだけで、国の安定感は格段に上がるのだから。
でも、キャロルは緩く笑う。とても穏やかに、青い瞳がこちらを見る。
「最初は、ネロがいいのでしょ?」
「そんな事はないよ」
「嘘ですね」
まるで僕の心をくまなく探した様に言われる。
そして、そう言われたからこそ、「そうなのかもしれない」と思ってしまった。
彼らに優劣を付ける事もしないし、愛する事も信頼する事も出来る。そう言っておきながら、ネロに拘っている。そういう自分の矛盾に、気づかされた気分だった。
「嫌かな?」
「いいえ、ちっとも」
「キャロルは大人だね」
「他の皆も、分かってくれますよ」
薄く笑ったキャロルの瞳には、本当に曇りなんてない。本心から、そう思ってくれているのだと知ると本当に、支えられている気がした。
「その代わり、愛して下さい。存分に」
「あぁ、勿論」
他はまだこない。でも、この優しい兎を慈しみたいと思う。テラスを離れ、手を引いて、僕はベッドに乗り上げ、キャロルの事も誘った。
白い肌は、湯のしっとりとした肌触りがある。僅かに色づいた肌は艶めかしい。
バスローブの前を手で軽く開くと、それだけでキャロルは恥ずかしげに息を飲み、柔らかな香りに色香を乗せた。
キスをして、深く探った。頭の後ろに手を回して抱き込んで、逃がさないように。恥ずかしげな舌を捕まえて絡めれば、明るい色の瞳がジワリと濡れていく。
呆けたような唇から覗く赤い舌が、もっと吸ってと言わんばかりだ。
「僕の隣に座って」
「はい…」
おずおずと僕の隣に座ったキャロルのローブを、僕は見せつけるように脱がした。滑らかな肌はキスの一つで桜色になる。細く引き締まった体に手を這わせると、それだけでヒクリと強ばったように動き、熱い息を吐く。
「慣れていないね。初めて?」
「はい…」
「そう」
では、今日は挿入は辛いかな。竜人はかなり大きいし、僕も平均的な竜人程度にはあるしね。
肌に手を触れ、胸の突起に吸い付く。小さなそこは最初こそ反応を示さなかったけれど、吸い付いて舌で転がせば簡単に硬くなった。
「ふぁ! あっ、あの…っ」
「気持ちいい?」
「…はい」
「じゃあ、もっとって言ってみて」
焦らすように指先で乳輪をなぞれば、ゾクゾクっとキャロルは体を震わせる。
理性が切れていない段階でのおねだりほど、羞恥心を煽るものはない。現にキャロルは今、恥ずかしい欲望と理性の間で戦っているのだから。
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