138 / 162

【イカレ竜・R18】もふもふ王国への野望(9)

 バンッ! と、扉が壊れそうな音を立って開いた。  思わず全員が音のした方を見て、そして呆然とした。 「ネロ?」  顔を赤くしたネロは息を切らし、睨み付ける様に僕を見る。そして、ズカズカと足音がしそうな勢いで歩きながらもローブを脱ぎ捨てる。  厚手のローブの下に、彼は何も纏ってはいなかった。 「ネロ? 君は…」  なんて声をかけていいか。睨みながら泣きそうな顔をしているネロは裸のままベッドへと上がり込むと、何かを握りしめた手を僕に重ね合わせて深く口づけた。  官能的な匂いに目眩がする。一瞬で体の芯が痺れる。心臓が、ドクドクと音を立てているのが分かる。  不器用なキスはあまりに荒々しくて、官能なんてものとは無縁な稚拙さがあった。にもかかわらず、僕の息子は臨戦態勢を始めている。散々に刺激された強張りが腫れ、求めるように疼いた。 「はっ」  ようやく離れた唇を、呆然と見る。その目の前で、ネロは重ねていた手を開いて笑う。そして躊躇いもなく、それを口に入れた。 「ネロ!」  ゼノンがさすがに止めようとしたが、それよりも前に薬は嚥下されていく。少しして、臍の周りに黒い印が浮かび上がるのを見て僕は、疼いた。 「最初の子は、私が産む」 「え?」 「アンテロが欲しい。悩んで、意地を張って、拗ねて、それでもやっぱり欲しい。皆もごめん、最初は私に譲って!」  叫ぶようにぶつけられる言葉を、僕は受け取った。そしてそれは、きっと他の皆もだろう。呆然としていた表情に、安堵が浮かんでいった。 「いいよ、ネロ。皆のだけど、ネロの覚悟は受け取った」 「アンリ…」 「元々、ネロが最初が良いと思っていましたよ」 「キャロル…」 「まっ、そういう事だ。まずは大事な場所、解さないとな」 「ゼノン!」  僕に跨がったままのネロの尻を、大きなゼノンの手が撫で上げる。それにビクンと腰を浮かせたネロは、既に何かを感じているようだった。 「ネロ、僕に向かってお尻を向けて」 「え!」  抵抗したそうだけど、僕もあまり余裕はないんだよね。  だから有無を言わさず、僕はネロを四つん這いにして腰を持ち上げ、後ろに指を這わせた。そして、指を一本彼の中に差し入れた。 「んぅ!」  慣れない刺激に震えるネロの中を、僕は魔力操作で広げていく。早い段階で緩まるそこは、薬の影響か僅かに濡れて、しかも蠢いている。 「誘われている。気持ちいいんだね」 「ちが…」 「じゃあ、どうしてこんなに熱く、蠢いているのかな?」  指摘して、擦り上げる。それに、ネロは高い声で鳴いた。 「うわぁ…ネロ可愛いね」  アンリがトロンとした目で見つめ、ネロの顎を捉えてキスをする。  途端、内側がキュウと締め付けた。 「そういう事なら、俺はこっちを刺激してやろうか」 「あっ、コラ!」 「では、ボクはこちらを」  ゼノンは僕の強張りに手を伸ばし、塗りたくるように擦りつける。  キャロルは僕がしたのと同じように、僕の乳首に吸い付いて丁寧に愛撫をしている。気持ちよさに痺れていく。それでも僕は欲望を満たす為に、ネロの中を解していった。  ネロの中は追い詰められるように熱く濡れて吸い付いてくる。自覚はなさそうだけれど、誘っている。求められているとうぬぼれれば、欲しくなってしまう。  十分に弛緩させて、僕は指を抜き去りネロの体を持ち上げて、こちらを向かせた。 「ネロ、繋がる前に一つだけ、いいかな?」  真っ赤になって息も絶え絶えという様子のネロをジッと見つめて、僕は微笑む。涙に濡れる明るい緑の瞳が、揺れながら僕だけを見ている。 「ネロ、僕のお嫁さんになってくれる?」 「!」  他の三人には、ちゃんと伝えた。そして、了承を得た。けれどネロだけは、まだ言っていない。こうまで望まれて、今更Noなんて言わないと思っているけれど、これから本気で子作りするなら確認は大事だから。  真っ赤になって、少し項垂れて。恥ずかしいがこちらにも伝わってくる。胸にそっと手を当てれば、壊れてしまいそうな程強く脈を打っているのが分かった。 「ネロ…」 「ぃぃ…」 「ん?」 「いいに、決まってる…。お前の子供は私がって思ったんだから、当然じゃないか!」  恥ずかしさに茹だった様に赤くなって、叫ぶように伝えてくる不器用な気持ち。それが、なんだか彼らしくて嬉しいなんてらしくない。  でも、嬉しいから全部貰おう 「じゃあ、本当にいいね? 途中で止めるとか、器用な事できないから」 「…分かってる」  あれ、この子黒ヒョウだよね? 赤ヒョウとか聞いた事ないし。

ともだちにシェアしよう!