140 / 162

【イカレ竜・R18】もふもふ王国への野望(11)

「ネロ、すっごくエッチだ…」 「本当に、凄いですね」 「初物だってのにこの乱れようだからな」  後ろの三人もそれぞれに感心したように呟いている。  そんな彼らに笑いかけて、それぞれとキスをしていく。 「ネロ、平気かい?」  未だ僕の腕の中で荒い息を吐き出しているネロを覗き込む。虚ろに見上げたネロは、困惑した表情をしている。 「アンテロ…私の体、変になってる……お腹の中が、締まって解けない……熱くて…」 「余韻だから」 「でも……」  困惑するネロの体を少し離した。その途端、ネロの腹に見えた印に、全員が「あ!」と声を上げた。  印が真っ赤に色をつけ、徐々に消えていった。  セックスの余韻とか、気怠さとかが一気に飛んだ。  それは多分、熱を吐き出していない三人も同じだったのだろう。ガバリと起き上がると、それぞれがソワソワした。 「マジで、一発でかよ…」 「うわぁ…凄い…」 「おめでとうございます、ネロ!」 「…へぇ?」  分かっていないのは当人だけだ。  僕は慌てて、でもゆっくりと彼の中から抜け出た。そして、布団を彼の体にかけた。 「と…とりあえず水飲め!」 「ボク、温かいローブ持ってきます!」 「医者に診察してもらった方がいいよね! あれ、でもいつ?!」  場は微妙なパニックになっている。しかも父である僕と、母になるネロを置き去りにして周囲がだ。 「ねぇ、君たちはいいの?」 「「そんなのいつでもいい!」」 「…あっ、そう?」  こういう場合、僕が真っ先に慌てるのが筋なんだろうけれど…周囲がこれだけ慌てると冷静だな。  ネロはまだ、自分の体に起こった変化に気づけていないみたいだ。セックス後の気怠さと心地よさにまどろんだ顔をしている。  僕はそっとネロを抱きしめた。 「皆、どうしたの?」 「ん? ふふっ、どうしたんだろうね?」 「アンテロ?」 「ねぇ、ネロ。元気な子産んでね」 「……!」  途端、ビクッとネロが震えたのが分かった。顔を見れば今までに無いくらい赤くなって、次には自分のお腹を撫でている。やっと、何事かを理解したようだった。 「僕は、いいお父さんになるし。それに…」  ゼノンがローブ一枚を着て水を持ってきて、キャロルが真新しいローブを手にしている。アンリは深夜だってのに、直ぐにでも医者に駆け込みそうだ。 「みんな、良いお母さんをしてくれそうだよ」 「…うん」  子供一人に、母は四人。賑やかな新生活になりそうだ。

ともだちにシェアしよう!