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【イカレ竜・R18】もふもふ王国への野望(11)
「ネロ、すっごくエッチだ…」
「本当に、凄いですね」
「初物だってのにこの乱れようだからな」
後ろの三人もそれぞれに感心したように呟いている。
そんな彼らに笑いかけて、それぞれとキスをしていく。
「ネロ、平気かい?」
未だ僕の腕の中で荒い息を吐き出しているネロを覗き込む。虚ろに見上げたネロは、困惑した表情をしている。
「アンテロ…私の体、変になってる……お腹の中が、締まって解けない……熱くて…」
「余韻だから」
「でも……」
困惑するネロの体を少し離した。その途端、ネロの腹に見えた印に、全員が「あ!」と声を上げた。
印が真っ赤に色をつけ、徐々に消えていった。
セックスの余韻とか、気怠さとかが一気に飛んだ。
それは多分、熱を吐き出していない三人も同じだったのだろう。ガバリと起き上がると、それぞれがソワソワした。
「マジで、一発でかよ…」
「うわぁ…凄い…」
「おめでとうございます、ネロ!」
「…へぇ?」
分かっていないのは当人だけだ。
僕は慌てて、でもゆっくりと彼の中から抜け出た。そして、布団を彼の体にかけた。
「と…とりあえず水飲め!」
「ボク、温かいローブ持ってきます!」
「医者に診察してもらった方がいいよね! あれ、でもいつ?!」
場は微妙なパニックになっている。しかも父である僕と、母になるネロを置き去りにして周囲がだ。
「ねぇ、君たちはいいの?」
「「そんなのいつでもいい!」」
「…あっ、そう?」
こういう場合、僕が真っ先に慌てるのが筋なんだろうけれど…周囲がこれだけ慌てると冷静だな。
ネロはまだ、自分の体に起こった変化に気づけていないみたいだ。セックス後の気怠さと心地よさにまどろんだ顔をしている。
僕はそっとネロを抱きしめた。
「皆、どうしたの?」
「ん? ふふっ、どうしたんだろうね?」
「アンテロ?」
「ねぇ、ネロ。元気な子産んでね」
「……!」
途端、ビクッとネロが震えたのが分かった。顔を見れば今までに無いくらい赤くなって、次には自分のお腹を撫でている。やっと、何事かを理解したようだった。
「僕は、いいお父さんになるし。それに…」
ゼノンがローブ一枚を着て水を持ってきて、キャロルが真新しいローブを手にしている。アンリは深夜だってのに、直ぐにでも医者に駆け込みそうだ。
「みんな、良いお母さんをしてくれそうだよ」
「…うん」
子供一人に、母は四人。賑やかな新生活になりそうだ。
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