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【イカレ竜・R18】オオカミさんと歪な王子様(3)

 そのまま、ゼノンの唇がまだ硬くなっていない胸の突起に触れる。滑らかな舌の感触が気持ち良くて、直ぐに立ち上がって主張を始める。  嫌らしく快楽に弱い体の浅ましさを晒して、それに興奮するなんてやっぱり変態か。 「なじってもいいよ?」 「どこまでだよ、まったく」  言いながらも、ゼノンは僅かに尖る乳首を噛む。瞬間、突き抜ける痛みに反応して、下肢が熱くなった。たまらなく疼く。もう触って……いや、触らなくても十分に…。 「お前、この反応…なんかあったのか?」 「え?」  痛みと快楽がない交ぜになって、前を膨らませる僕を見るゼノンの目が僅かに気遣わしくなる。なんか、いたたまれない。 「普通、優しくしてねがセオリーだろ。それに、抱くときにはお前は優しい。どうして抱かれる時にはこんなだ」 「あぁ……初めてが誘拐されての二日間耐久レイプだったからかな」 「はぁ!!」  素っ頓狂な声、途端に浮かぶ困惑。まぁ、自分で言ってもかなり凄い字面だとは思うけれどさ。 「100歳くらいかな。身代金目的の誘拐にあって、監禁されてる間ね。目隠しで両手縛られて、二日間ひたすら犯されてたんだ。ただ、俺も淫乱なのかそれに興奮してすっかり楽しんでたから、あまり苦だとは思わなかったんだけど……」 「お前…」  その、気遣わしい目やめてよ。いや、本当に気持ち良かったし、幸い命を取られる事はなく、犯人も母様に半殺しにされたしね。  そっと優しく、ゼノンの大きな手が頬に触れる。次にはとても優しいキスが降る。あんまり優しすぎて物足りなく感じてしまう。 「あ……気にしなくていいよ? ようはそんなだから、どれだけ激しくしても大丈夫ってこと。準備もして、後ろも解してきたからいきなり挿れても…」 「優しくしてやる」 「え?」  予想外の言葉に、僕が固まった。それは、望んでいないから。  でも、ゼノンは宣言通りとても優しく、一つずつ刻み込むように快楽を煽ってきた。汗にしっとりと濡れる肌を手で撫で、たっぷりと胸を愛撫して。痛みのないそれらはモゾモゾともどかしいのに、腰が甘く痺れていく。息が上がる。 「はぁ……」  深く吐息が漏れる。さっきから、フルフルと震える。決定的な刺激に届かなくて、なのにずっと燻るように熱い。指が乳首を捏ねる強さも、その動きも緩慢で。 「もっと…強く欲しい」 「俺が抱くんだ、俺に合わせろ。それに、激しい快楽よりもずっと溺れさせてやるさ」  あぁ…もどかしい。もっと、ひねり潰すように乳首を摘ままれ、押し潰すように泣き濡れる強張りを刺激してほしい。ゆっくりの動きではなくて、いっそ根元を戒めながら先端を執拗に愛撫して突き抜けるような刺激が欲しい。  でも、ゼノンはそんな事しない。肌の熱を楽しむように大きく筋張った手が撫でて、厚い舌が皮膚の薄い部分を舐め、キスをする。  疼いて仕方がない。息が乱れるのに、我を忘れるような物ではない。 「前、触ってくれないの?」 「今はいい」 「よくないんだけど」 「まだイカせない」  そう言いながら、ゼノンは体を下へとずらしていく。そうして僕の内股を、丁寧に舐め上げる。これが意外と気持ちがよくて、足が突っ張ってしまう。  そして指が一本、簡単に僕の中へと埋まった。 「んぅ…」  こんなんじゃ足りない。もっと激しく欲しい。  思うのに、そうはしてくれない。節の立つ指が中を捻りながらかき混ぜる。そして、とても緩やかに前立腺を押し上げた。 「はぁ!」  痺れる、気持ちいい、クラクラする。弱いけれど、明らかな快楽。  僕はその微かな刺激を求めて腰を揺すった。けれど途端に、指の動きは止まってしまった。 「どうして…」 「さすがにはしたないって、アンテロ。お行儀よくしてれば、もっとよくしてやるから」  ニンマリと笑われ、腰を揺らすのをやめればまた指が刺激してくれる。わだかまるような熱と疼きが腰骨の辺りに溜まっていく。  まるでマグマが溜まるようだ。吐き出したくてウズウズしているのに、刺激が弱すぎて吐き出せない。

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