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3-ぱっぱらぱーニートが優等生悪魔と出会う
弟のルルラルが家出した。
出来の悪い劣等生ながらも、弟は弟、かわいいものだ。
俺は人間界へ様子を見に行くことにした。
「っちぇ、黎一朗いねーの、飯どうしよっかなぁ」
黎一朗の叔父、フリーターのだめだめ千里(29)、パチンコですって珍しく早く帰ってくると誰もいない逢魔野家に舌打ちした。
「飯つくんのめんどくさ、ピザでも頼もうっと、マヨ系は外せないよな」
身近な女子にはヒかれる、キャバクラに行けばもてる、下ネタ大好きの下半身ゆる男は居間のソファで携帯からデリバリー注文を済ませると、ここぞとばかりにごろごろ。
「しっかし黎一朗のやつ、あの女顔のダチの子、ずっとココにおいてるみたいだな」
その黎一朗と女顔のダチの子=乙女雄悪魔ルルラルは晩ごはんデートに出かけていた。
「まさか……あいつホモ? でもこの間まで英語の巨乳てぃーちゃーと付き合って……いや、セフレだったか? 巨乳かぁ……いいなぁ……」
夕暮れ時のテレビニュースで緊迫した紛争の映像が流れる中、巨乳のことで頭がいっぱいになった千里、そこへ。
ぴんぽーん
「え? もう来た? 早くない?」
言われていたお金をきっちり小銭レベルで揃えた千里、小走りに玄関へ。
「はいはいはーい、どーぉ、も……、……」
そこにいたのはルルラルの兄のソルルだった。
ルルラルと同じさらさら白金髪は前髪ありの短髪。
やっぱり褐色肌。
が、かわいいせくしー弟と比べると。
百九十手前の長身で。
細身の筋肉質でべらぼうにおっとこ前で。
鋭い目つきがいかしている。
「……ど、どちらさま?」
女好きのノーマル千里も見惚れる男前悪魔は弟の匂いを辿って逢魔野家へやってきた。
くんくん匂いを嗅ぎ、弟は不在であることがわかり、肩を竦める。
「あ、あの……? まさか新興宗教の勧誘?」
ソルルは千里を見た。
三十路寸前には見えない学生じみた、つまり責任感とか威厳とはまるで無縁な、ぱっぱらぱー千里。
だめだめ人間をもっとだめだめにする、そんな悪魔的本能がソルルにぶわりと舞い降りた……。
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