22 / 117
8-3
長い海外赴任から帰ってきた志樹、四十歳。
時差ぼけのため夕方に起床した彼がストライプ柄のパジャマ姿のまま一階へ降りてみれば。
「あ! おはようございます、大旦那様!」
なんでも悪魔で雄なのに子宮があってリリルルを産んだという乙女雄悪魔のルルラルが台所で晩御飯の支度をしていた。
「黎一朗旦那様がお帰りになったら晩御飯にしますね」
以前はクラシックな割烹着を纏っていたルルラル、今は黎一朗に買ってもらったフリルいっぱいの前掛けエプロンを身につけていた。
その下は相変わらず肩が剥き出しのボンテージ風編み上げコルセット、ヘソも丸出し、そして制服を模したようなチェックの激ミニプリーツスカートにニーハイソックス、だ。
えろい。
むちむち絶対領域が堪らない。
息子と同じ、一見真面目なくせして実はエロ中年男の志樹、とりあえず顔を洗ってくると眼鏡をかけ、ルルラルの隣へ。
「ルルラル君、今日はカレーなんだね」
「はい! 黎一朗旦那様が好きな中辛にしました」
「そう。僕は甘口派なんだけどね」
「えっ」
ルルラルがショックの余り取り落とした包丁がぐさりとまな板に突き刺さる。
「そ、それは……ルルラルめ、なんて過ちを……旦那様のお父様に対して、ご無礼極まりない……どうお詫びすれば……こういったミスは指の一本で許されるものなのでしょうか、大旦那様……?」
「そんな物騒な、ルルラル君」
へっぽこ悪魔のルルラルは双眸にうるうる涙まで溜め、震えている。
かわいい。
こどもだというリリルルよりも乙女っぽい感じがする。
志樹はそんなルルラルのホワイトブリーチじみたサラサラ白金髪頭をそっと撫でた。
「我慢すれば中辛もいけるから気にしなくていいよ」
「そんな……大旦那様に我慢など……やっぱりルルラル、指を一本、」
「指はもういいから、ルルラル君」
「……ぐすん」
「そもそも、カレーの味付けをミスすることが過ちだなんて、大袈裟だよ?」
「……そうでしょうか?」
「うん」
過ちっていうのはこういうことを言うんだよ?
ルルラルはびっくりした。
愛しい黎一朗の父親である志樹に抱き寄せられたのだ。
すぐ頭上には優しく微笑む志樹の顔が。
本当、黎一朗とそっくりだ。
そして声も。
「ルルラル君は優しいんだね」
高校生黎一朗の声に少々渋みを利かせて艶をプラスさせたような熟した声色。
志樹の腕の中でルルラルはつい頬を紅潮させる。
そして、わたわた、おろおろ、義父によってつくられた囲い内で乙女雄悪魔は焦燥する。
「あ、あの、大旦那様、ルルラル、カレーをことことさせないと」
「ルルラル君、一緒に過ち、犯してみようか」
「えっ?」
「指一本でも足りないくらいの過ち、をね」
そう言うなり、するるるるっと志樹の両手がルルラルのお尻に。
「きゃっ!?」
激ミニプリーツスカート越しにむっちりお尻をナデナデされてルルラルはうるうる双眸を見開かせた。
志樹は魅惑の中年微笑を崩さず、鍛練を積んできた五指でヤラシイ愛撫を続ける。
空腹を刺激するカレーの香りに満ちた台所にて、義父は乙女雄悪魔である嫁のお尻を縞々ぱんつ越しに撫で始めた。
「やっやめてくださいっ、大旦那様……」
何せ相手は義父、愛しい旦那様のお父様。
心優しいへっぽこ悪魔のルルラルは全力で抵抗できずに嫌々と身を捩じらせるのみ。
まるで腕の中で猫が寝返りを打っているような感覚に志樹は微笑を深めた。
一番長い中指でお尻の割れ目を浅く上下になぞり、秘められた乙女アナルまでぱんつ越しにくるくる擦ってくる。
「やん! そこ、は……旦那様だけ……」
「黎一朗だけのもの? でも、僕はあの子の父親だから。僕だって頂く権利があるよね?」
「……あ!」
エロテクニックに長けた両手がとうとうぱんつの中に入ってきた。
弾力豊かな曲線描く褐色すべすべ双丘を直接もみもみ。
むにっと掴んで、生地でも捏ねるような手つきで、官能的に揉みほぐす。
「や……っ黎一朗様ぁ……!」
腕の中でもどかしげに身悶え、うるうる双眸で息子の名前を呼ぶルルラルに、志樹の中年欲望は燃え上がる。
後ろ手で素早くコンロの火を消すと、もっと大胆に乙女雄悪魔嫁に触れようと、ぷるぷる震える褐色体へより密着しようとしたら……。
「あーーーーー!!??」
「……お父さん、何してるの」
学校に行っていた黎一朗と、お買い物していたリリルルが帰ってきた。
志樹は肩を竦め、ルルラルはぐすぐす鼻を鳴らして愛しの旦那様に声をかける。
「お、お帰りなさいです、黎一朗旦那様ぁ……ぐすん」
ともだちにシェアしよう!