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10-悪魔に捧げる破廉恥な子守唄
わいわいがやがや賑わう全個室焼肉店にて。
「黎一朗旦那様、とってもおいしいです!」
「いっぱい食べてくださいね、ルルラルさん」
人間旦那様の高校生逢魔野黎一朗と乙女雄悪魔のルルラル、いちゃいちゃらぶらぶ全開で隣り合って上カルビをジュージュー。
「むぅ~★志樹にもいっぱいお肉焼いてあげる!」
「嬉しいけれど、四十歳の胃はそろそろ限界に近いかな、リリルル君」
向かい側でいちゃつく自分のパパママに負けじと混血こどものリリルル、そろそろ胸やけ胃もたれが迫りつつあるパパのパパ、夜の営みに関しては現役熟練中年の志樹にべったりくっついた。
表逢魔野家は今日も平和です。
さて、一方、裏逢魔野家はというと。
「ママ、みるく、くれ」
「だまれ、サラサ、しね」
「ころす、アクア」
「だぁぁぁ! お前らがケンカしたら家が壊れる!!」
逢魔野千里はおうちにて、普段は悪魔界にいる我が子たちとスキンシップの最中だった。
千里が産み落としたサラサ、アクア、ナズナ。
真っ黒ライオンの姿をしていた彼らはヒト擬態を覚え、今現在、父である超優等生悪魔ソルルに似た、ばりばり完成されたイケメンの姿だ。
うちサラサとアクアは最悪の相性、すこぶる仲悪し、ナズナは二人に怯えて自分より華奢な千里の背後に避難中。
「確実に家はぶっ潰れるしナズナがビビる! ちょっとは仲良くしてくれよな!」
あのぱっぱらぱー千里が随分と親らしくなっている、自分よりでかいイケメン混血悪魔のサラサとアクアにびしっと注意しているではないか。
真っ黒な髪に白メッシュの入ったサラサと、隻眼のアクアは、くりそつ顔を見合わせた。
「じゃあ、ママのみるく」
「はんぶんこ、する」
そう。
十代後半~二十代前半なるイケメン外見に反して彼らのなかみはまだまだこども。
よって人間雄母の千里にまだまだ甘えたいお年頃なのだ。
それを十二分に仕方なく理解している千里、はぁーーー、とため息をつくと。
自分からシャツをぺろんとめくった。
明かりの消された室内、薄闇に現れたぺちゃおっぱいにサラサとアクアは顔を輝かせる。
はぁーーーほんとはこの間まで止まってたんだけどな、乳。
でも、あのコが生まれてから、また出るようになった。
千里がちらりと向けた視線の先にはゆりかごのベビーベッドが。
そこに眠るは、この間生まれ落ちたばかりの末っ子混血ベイビー、カノン。
おんにゃのこカノンに千里はでれでれ、まだヒト擬態を習得していない獣っこの彼女をそれはそれはかわいがった、パチンコに行く回数も大分減った。
ぱっぱらぱー度が薄れてきたのは偏に彼女の誕生によるものだった。
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