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10-4
ソルルの咆哮でも目覚めなかったカノンがいきなり起きた。
ゆりかごのベビーベッドでふみゃふみゃ泣き出す。
夜泣き、だ。
そんな我が子の声に、悪魔ふぁっく中の千里、速やかに我に返った。
「あっカノンがっカノンにっみるくやらないとっ」
「千里」
「ちょ、ソルルっやめっ、早くっ、やめろっ!!」
達したがっている体を無視し、カノンのそばへ今すぐに行ってやりたくて、千里は涙目ながらも悪魔夫に中断を申し出る。
それを、ソルルは。
「やだ」
一言、突っ撥ねると、唖然とする千里をソファへ仰向けに突き落として。
バイブレーションを激強に。
上体を倒し、カノンに飲ませるべきみるくを、自分が独り占め。
問答無用に欲望全開で高速ピストンしながら唇に捕らえた千里の乳首をきつく強く勢いよく吸引した。
千里はソルルの真下で涙ながらに絶叫した。
突っ返せずに、さらさら白金髪を掻き乱し、がくがく突き揺さぶられる。
絶え間ないバイブ刺激に限界を来たしたペニスが派手に精液を放つ。
それでもソルルはやめない。
一息に白濁粘液に塗れた嫁ペニスを鷲掴みにし、酷いくらいの手つきで無慈悲にしごき立て、一切衰えない高速ピストンで嫁アナルを突き続けた。
「あんっやらぁっやらぁぁっそるっそるるぅっやらってばぁぁ……っあんっ!あぁぁんっ!」
「俺が一番好き、そうだな、千里」
「あぅっ!あぅぅっ!あぅぅーーーっっ!」
「もうこどもはつくらない、お前は二度と孕まない、俺が誰にも孕ませない」
「……っソルル……ッッ!!」
いきっぱなしの千里、悪魔夫のいかした鋭い目つきの奥に紛れもない嫉妬心を見つけて。
思わず胸底を火傷しそうになった。
ばかばかばかばか。
こどもにヤキモチなんかやくなよ、俺の夫のくせに。
「千里、お前は俺だけのもの」
孕ませ機能がオフにされた大量の悪魔ざぁめんが千里のなかに注ぎ込まれた。
全身にまでどんどん満ちていくような長ったらしい射精時間に千里は失神寸前、大きく胸を仰け反らせて酸欠さながらに何度も唇を開閉させた。
取りこぼしたみるくが胸をつぅぅ……と伝い落ちていく。
肌の至るところへ飛び散った精液と一つになって薄闇に淡く艶めく。
一向に呼吸が落ち着かない千里から、すっと離れた、ソルル。
泣き続けていたカノンを両手に抱いて戻ってきた。
「はあはあ……はあ……は……あっ」
千里の真上に下ろされたカノン、みるくに飛びついた。
雄母みるくを無心でちゅうちゅう舐め吸いまくる。
「ん……っ!」
「俺のおかげでカノンの食事が滞りなく進むぞ、千里」
「う……っうるさ……! 鬼畜悪魔! っんぁん……っカノン、激しぃって、ば」
「ヒト擬態を覚えたカノンに欲情するなよ、千里?」
「だっ誰が自分のこどもに欲情するか!」
でもカノン、きっと、すっげー美人なコになるよな。
ちょっと楽しみかも。
後日、千里の期待は脆くも崩れ去る。
「せんりー」
おんにゃのこだったはずが、悪魔界ではあるあるパターンという、まさかの性転換。
ヒト擬態して自分にべったりひっついてくるおとこのこカノンを千里は高い×2した。
「まー、いーや、かわいーし、でもあんまソルルらに似てな、あ、う゛っ! 腰がっ腰がっ!」
「ママ、おれ、だっこする」
「おれ、だっこする」
「……ぼく、したい、だっこ」
サラサとアクアとナズナがこぞってカノンを抱っこしようと千里にくっついてくる。
それもそのはず。
カノンは千里にまぁまぁ似ているのだ。
「なんだ、あいつらちゃんとお兄ちゃんできるじゃねーの、よかったー!」
サラサとアクアとナズナの超邪な下心に気付かない千里、ほっと一安心、そんな人間男嫁の肩を抱く、すべてお見通しのソルル。
裏逢魔野家は今日もなんとかぎりぎり平和です。
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