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16-昼下がりに大悪魔が来たりてガチ親子喧嘩

日の光を殺めるように開かれた深黒の翼。 「?」 カノンはルーフバルコニーで一人遊びしていた。 「危ないから一人で出んな」と千里に毎日注意されているものの、ついついお外への誘惑に勝てず、お気に入りのオモチャを手にしてリビングからぽてぽて出、片隅でぺちゃんと座って遊んでいた。 「あーひるる太ー」 我が子ソルルよりも美しく立派な翼持つ大悪魔。 無邪気に笑いかけてくるカノンに手を差し伸べる。 「我輩と遊びましょう、カノン」 「じゃ、行ってくる」 その日の午前中、悪魔界にお勤めに向かう、相変わらず型にこだわって新婚さん代表的なリーマンっぽい服装のつもりがマフィアにしか見えないソルルを見送った千里。 立て続く妊活で寝不足の元ぱっぱらぱー男は欠伸を連発しながらカノンといっしょに遅めの朝ごはんを食べた。 「ふわぁ。眠ぃ」 「せんり、あくびばっか、かのん、いっぱい寝た」 「んー」 「夢の中で、せんりとぱぱ、いちゃいちゃぶちゅぶちゅ、してた」 「ぶはッ」 あンの俺様夫が、だから言ったのに。 『ちょーーっ待て待て待て待てッ、カノンいるだろっ!?』 『カノンはぐっすり中だ』 『だからって……ッ同じベッドでこんな、ッ、あ、ぁ、ぅぅぅぅぅッ』 『欲しいくせに』 『……ソ、ソルルぅ……』 あれ、俺もだめじゃん、受け入れちゃってんじゃん。 孕ませ悪魔なソルルに夜毎溺愛され中の千里だが、しかしあれだ、あれなのだ。 なかなか孕まないのだ。 出会ったその日に怒涛の十連発で三つ子を授かって。 悪魔界の住人に襲われかけたところをソルルに助けられて、そのまま激熱なる夜青姦の末にカノンを授かって。 今回は、さっぱり、なのだ。 新居の整理を適当にしていたら強烈な睡魔に襲われて千里はソファで一休みすることにした。 開いたままの窓から風が入ってきて気持ちいい。 ごろんと横になったら、あっという間に寝そうだ。 「……カノーン……バカノーン……外出んなよー……」 ソファでクッションを抱きしめて丸まったまま現在所在不明の我が子に声をかけてみた。 返事はない。 ちょっとの間、クッションに顔を埋めていた千里だが。 「ゴラぁ、カノンっ、外出やがったな!?」 容赦ない眠気を断ちきってがばりと起き上がるなりルーフバルコニーへ直行すれば。 「あ」 天気のいい白昼なのに、まるでそこだけ夜のような。 ヒルルがいた。 気高く猛々しく優雅に翼を広げてルーフバルコニーに立っていた。 カノンの姿はない。

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