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美味しいものをいっぱい食べたカノン。 「カノン。次はどこへ行きたいですか?」 まだ翼を出しているカノンを片腕で抱っこしてオレンジ色に照らされた街をゆったり進むヒルル。 もっともっと満喫したいハロウィンの夜。 きょろきょろ辺りを見回していたカノンはソレを見つけて「あれっ」と元気いっぱい指差した。 一時間後。 「わぁ。きれーい。わぁい」 街外れの広場に設置された観覧車。 カノンとヒルルは向かい合って普段以上に光り瞬く色鮮やかな夜景を見下ろしていた。 「かふか、いないかなー?」 怖がるでもなくガラスにぺたっと両手をくっつけてカノンがそう言えば。 「カフカは見当たりません」 驚異の視力で入り組んだ街路をざっとチェックしたヒルルがそう答えた。 ゴトン、ゴトン、ゆっくりのんびり進む観覧車。 そろそろ天辺だ。 「あー」 ふと下のゴンドラが視界に入ってカノンはおめめパチパチ。 恋人同士がちゅーしていた。 せんりとぱぱも、いまごろ、ちゅーちゅー? 愛のしるし、たしかめてる? 「カノン」 ゴンドラの中でまさかのぱたぱたを開始したカノンにヒルルはやんわり微苦笑すると。 すっと両腕を差し伸べた。 「天井に頭をぶつけます。危ないです。どうぞこちらへ」 「ぱたぱた」 「ええ、そうです。いいこですね」 狭い内部で危なっかしげにぱたぱたするカノンをヒルルは胸に抱き止め、さらさらした髪を優しく梳いてやった。 「ほら、天辺です」 「ひるる太ー」 「何でしょう」 「好き」 天辺にやってきた観覧車の中でカノンはヒルルにキスをした。 街中に佇む品のいいシティホテル。 カノンをお風呂に入れてやり、ドライヤーで髪をかわかし、千里に言われた通り歯磨きさせてやれば。 「すぴぃー……」 ツインベッドの一つでカノンはすぐさま眠りに落ちた。 やっと翼を仕舞い、自宅から持ってきたパジャマ姿でスヤスヤしているカノンにそっと寝具をかけ、スーツも脱がずに添い寝したヒルルは。 夜が終わり、朝が訪れても、愛して止まない無垢な寝顔をずっと見続けていた。 「我輩も好きです、カノン」 「……なんじゃこりゃあ……」 『じまえー、これ、かのんのじまえー』 『カノンは我輩の孫なのです』 <とってもクールでキュートな親子連れ……じゃない、おじい様とお孫さんですね! こんな吸血鬼になら襲われてみたいかも!?> 朝の情報番組、ハロウィン特集に釘付けになる千里だが。 人間雄母をさらに「なんじゃこりゃあ」させる映像が流れるのは、それはまた別の話。

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