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26-三つ子にふりかかる蛇の災い

先日はハロウィンだった。 悪魔界を勝手に抜け出して人間界に下り、獣化し、その姿がバッチリ収められた画像やら動画やらで巷を限定的に賑わせたサラサ・アクア・ナズナの三つ子。 愉快な悪夢なる一夜のTrickとして大目に見てやるかと、三つ子を許すことにしたソルルとヒルルだったが。 全くお咎めナシ、というわけにはいかなかった。 「「「い、痛い」」」 父ソルルからは脳天直撃ゲンコツを喰らった。 「千里が心配してたぞ。この親不孝ども」 「「「パパだって、おじい様とケンカしてる、親不孝もの……」」」 余計な台詞をうっかり洩らして脳天直撃ゲンコツを二発喰らう羽目になった。 「お前が余計なこと言うから、二回も!二回も叩かれた!」 「お前だって言っただろーが、自己中サラサ!」 「頭の中身ちょびっと出てない……?」 しかしもっと恐ろしいのは祖父ヒルルだ。 「誰が口火を切ったのでしょう」 城の主である大悪魔が三つ子を連れてきた先は通称<処刑場>。 背筋がゾクリと戦慄するまでに凍てついた塔の部屋、見るからに残酷な拷問器具・処刑道具が不気味に息づいている。 高い高い天井からは複数の鎖が重たげにぶら下がっていてどこもかしこも陰惨極まりない。 前に悪魔教育の一環として七日間逆さ吊りされた経験がある三つ子。 おどろおどろしい慈悲なき血生臭いインテリアを背にして微笑むヒルルを前にし、正座していた三つ子は三人揃ってさあーーーっと顔色を悪くした。 「アクア、言い出しっぺ、アクア!」 黒髪に白メッシュ入りの、ワガママ自己中、裏を返せば甘えん坊のサラサ。 「このッ、嘘つくなッ、お前こそ言い出しっぺのくせに、サラサ!」 サラサによって片方の瞼に一文字の傷を刻みつけられて日に日に鬱憤が蓄積されていく隻眼の根暗アクア。 「……おれ、止めようとした……」 怖がりで引っ込み思案の大人しい、なよなよナズナ。 サラサ・アクアはイイコちゃんナズナをギロリと睨みつけた。 「お前が!力ずくで止めればよかった!」 「えええ~」 「全部お前のせいだ!ナズナ!」 「そんな~」 縮こまったナズナをこぞって責めるサラサ・アクアにヒルルは微笑みを崩さずに判決を下した。 「つまり三人とも揃って悪いということですね」 祖父・父譲りの褐色肌を紙のように白くさせてピキリと一斉に強張った三つ子なのだった。 自分たちにだけ厳しいソルル・ヒルルが苦手な三つ子。 だけど嫌いではなかった。 怖いし苦手だが、優等生悪魔の父を尊敬しているし大悪魔の祖父を崇めている。 「三つ子ちゃーん」 三つ子が嫌いな相手は別にいた。 「まだハグさせてほしーなぁ」

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