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通称<牙の巣>にて。 吊るし刑は免れたがヒルルに懇々と説教され、げんなりし、自分達の根城である特大ソファでぐったりしていた三つ子の元へ彼は現れた。 「「「げ、ソドム」」」 高校生以上社会人未満の外見である三つ子よりも少し幼く見える彼。 俗に言うパンク系ファッション、黒シャツに赤ネクタイ、用途不明なベルトがやたらついた黒アームカバー。 赤チェックの巻スカート下にはダメージスキニー、極厚ラバーソール。 「遊びにきちゃった」 三つ子の褐色肌と違って真っ白肌、ショートストレートの赤ピンク髪。 中性的な美形顔にうっすらメイクして、目の下にアイラインぬりぬり。 三つ子より明らかに華奢な体格だ。 そんな彼の訪問にソファ上で竦み上がった三つ子。 「あっち行け!」 「こっち来んな!」 「リリーに告げ口、する……ッ」 両手を広げたソドムは尋常でないくらい怯える三つ子の元へ完成度高い笑顔を浮かべてゆっくりやってきた。 「母上様はお優しいもの。告げ口なんかしたところでお気に入りのボクを叱ったりなんかしませーん」 三人仲良く固まってガタガタブルブルしている黒ずくめの三つ子にそう断言したソドムは。 深紅色の唇奥からシュルリと舌を出し、両頬を裂くようにしてニターリ笑った。 ソドムは大悪魔の奥方リリーお気に入りの大蛇だった。 正確に言うならばリリーのこどもだ。 ちなみに通称<蛇迷宮>に棲息している蛇全てリリーが産み落とした悪魔だ。 つまり父親はヒルル。 ソルル・ルルラル兄弟より上なのか下なのかは不明。 三つ子にとって伯父か叔父というわけだ 「ぐるじぃッ!」 「サラサ、暴れんな……ッますます締まるッ!」 「息できない……ッ」 普段、リリーにアクセサリーとして絡まっているときよりも馬鹿でかいサイズとなったソドムはぐるぐるとぐろを巻き、中心に捕らえた三つ子を容赦なく締めつけてきた。 真っ白い硬い鱗にびっしり覆われた巨大蛇の渦に三人共々囚われて三つ子は逃げる術がない。 以前、獣化して応戦を試みたこともあったが。 木端微塵に負けた。 火を吐くソドムはべらぼうに強いのだ。 ソドムはおろおろぎゃーすか喚く三つ子を愛おしそうに見下ろす。 かぱぁぁ、何でもホイホイ切り裂く牙がずらり並ぶ口を開き、先っちょが二つに割れたなが~い舌を伸ばして。 べろろろろろ~~ん 「「「ひっっ!」」」 一度に三つ子の顔を舐めた。 そのまま丸呑みにしそうな勢いで、べろんべろんべろんべろん。

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