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「グルルッ!?」
アクアの声に飛び起きたのはナズナだった。
「はーなーせ!! おれはっママじゃなっ!!」
「ちゅーー……ちゅーー……」
「ア……アクア? 大声出したら、おじい様に、吊るされるよ……?」
眠たいまなこを擦って顔を上げたナズナにアクアは助けを求める。
「ナズナっこいつっサラサ何とかしてくれっ」
そこでナズナはサラサがアクアの片乳首にしっかりしゃぶりついていることに気が付いた。
……あ。
……ママのみるく。
「おいっ?ナズナっ?なにしてっ?ひっ?」
サラサと同じく赤ちゃんがえりに陥ったナズナに……もう片方の乳首まで吸われたアクア。
どっちの乳首もちゅーちゅーされて、やんわり胸をもみもみされて、ぶわわわわっと耳までまっかになって。
「ばっばか~~っ……おれ、みるく、出ないっ……おれだって、みるくっ、ママのみるくっ……飲みたい~っ」
自分まで赤ちゃんがえりして雄母乳を恋しがり始めた。
一切構わずちゅっぱちゅっぱしている寝惚けサラサに対して、イイコちゃんナズナ、ちゅぅちゅぅしていた乳首からゆっくり唇を離した。
唾液でとろんとろんになった突起から唇まで透明な糸がぷらーん伝う。
サラサの容赦ない乳首ちゅっぱにビクビクして、千里を恋しがり、しかめっ面でグスグスしかけているアクアにパチパチ瞬きする。
「アクア……泣いてるの?」
「泣いてねーよ……サラサみてーに誰が泣くか」
強がっている根暗アクアに寄り添ったナズナ。
二人に比べてそこまで乱れていなかった浴衣を肌蹴させると、さらに身を寄せて。
「おれの乳首……ママのと思って、吸っていいよ……?」
アクアは片目をパチパチさせた。
ちょこっと恥ずかしそうにしているナズナの顔と、目の前に差し出されたナズナの片乳首を交互に見て、パチパチ、パチパチ。
ッッ……ちゅぅぅぅぅぅッッ!!
「グルルゥッッ!」
アクアに勢いよくしゃぶりつかれてナズナはぴくんと喉を反らした。
寝惚けサラサにちゅっぱちゅっぱされながら、がむしゃらにナズナをちゅぅちゅぅするアクア。
「んっ、んっ、んっ……グルルルル……っみるく、出なくて……ごめんね、アクア」
ちっちゃな突起に夢中になって、みるく欲求を紛らわせていたアクアは、切なそうな顔で笑いかけてきたナズナに「……ガゥ」と小さく鳴いた。
「……お前だって恋しいくせに。我慢すんな」
「……いいの?」
「うみゃ……ママぁ……んぷんぷ」
「ガゥゥッ……んーーーーっ」
「グルルルルぅっ……ん、ん、ぅ、ぅ」
吸って吸って吐かずに吸って吸って、吸われ過ぎてきゅんきゅん化した互いの乳首を吸い続ける三つ子。
人間雄母千里からちゃんと卒業できる日は果たしてくるのか……。
「ちゃんと戸締まりしたか?」
「ここはセキュリティばっちりにゃ。それに、さっきも同じこと言った、ままにゃん」
「あ、悪ぃ。あんまテレビ見過ぎんなよ」
「おやすみにゃさい」
深夜、お留守番カフカに電話をかけて、せっかくなので、また一風呂浴びようとした千里だったが。
「あれ?」
「どうした、千里」
後をついてきたソルルに、千里は、湯船に浮かんでいたソレをひょいっと取り上げて翳してみせた。
「こんなモンあったっけ?」
千里の手に抱かれた、ヒルルがいつの間にそっと置いて行ったヒヨコに……ソルルはウズウズ、ウズウズ。
「え。まさか遊びてぇの、ソルル?」
「遊ばん」
「じゃあ捨ててこよっと」
「あ」
明らかにヒヨコに釘付けなソルルに千里はキュンキュン、その後、お風呂で大型肉食獣みたいにヒヨコに夢中になった悪魔夫。
新たな一面を発見して、ソルルに毎度惚れ直してばかりの、悪魔夫ばかな千里なのだった。
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