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「宿題だ! お前のせいで宿題なんか出された、アクア!」
「なんでおれのせいだ! そもそもお前があの女を選んだのが悪い、サラサ!」
「……宿題やだ~」
ファミレスを出てヒルルと別れた三つ子は大嫌いな宿題をどうやって片づけるか頭を抱えていた。
「できなかったら吊るされる」
コンビニで買った肉まんをぱくつく、器用にガードレールに座ったサラサ、突っ立ったままピザまんをガツガツ食らうアクア、しゃがみこんであんまんをもそもそ中のナズナ。
「どっかに落っこちてないか、魂」
コインパーキングに停められていた車の下を覗き込み、魂の代わりに野良猫を見つけたアクア、ピザまんを分けてやった。
「……おれ、やっぱりこわい」
泣き虫ナズナの弱音にサラサアクアはピキッ。
「この泣き虫!ヘタレナズナ!」
「ひ~」
「それでも悪魔か!」
「う~」
泣きべそをかきながらあんまんをもそもそ食べていたナズナは言うのだ。
「だって……ママだって人間だもん」
「「ッ」」
「おれにだって半分、人間の血、はいってるもん」
「う……うるさいッ」
「やっぱりやだ、こわい」
「じゃあお前だけ吊るされろ、ナズナ」
「うわぁ~もっとやだ~」
大悪魔の城奥で血生臭い拷問道具の数々がひっそり息をしている<処刑場>にて、逆さ吊りのお仕置きにだけはどうしてたって遭いたくない三つ子。
一先ず人がより多く集まる場所へ移動してみた。
平日もたくさんの客で賑わう複合商業施設。
ファッションにグルメ、アミューズメントが一度に堪能できるトレンドスポットへ。
「なんだあれ、うまそう」
美味しい匂いに誘われてフラつくサラサを引き留めるアクア、俯きがちなナズナは二人の後をのろのろついていく。
「どっかにイイ獲物、転がってないか、ナズナ」
「クンクン……こんなに人いっぱいだと麻痺しちゃうよ。それに鼻がいいのはサラサ」
「くんかくんか……殺意、憎悪、嫉み妬み、たこやき、おこのみやき、ステーキ……」
「この腹ペコ悪魔が」
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