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方言の吸血鬼×強気な青年

「筋骨隆々の若者、待ちなはれ」 「……は?」 黒い服を着た奴にすれ違い様に声を掛けられて振り向こうとしたら、抱きしめられたまま高速で移動して、いつのまにか路地裏の壁に押しつけられていた。 そいつは大きな口をあけて俺を見つめていた……鋭い八重歯ってことは吸血鬼か。 「なんで俺なん?」 「筋肉質の人って血の巡りいいんですよ」 そいつはそう言って、穏やかに目を細めた。 「ほんま綺麗な首……見惚れてまいますわ」 スーっとそいつは俺の首を撫でる。 「触んなボケ……」 「怖いんですか? 大丈夫、すぐに終わりますから」 そいつはそう言って俺の肩を両手でガッと掴んだ。 「ほな、よばれまひょか……」 そいつはニコッと笑って俺の視界から消えた。 皮膚が引き裂かれるような痛みを首筋に感じたと同時に快楽に襲われる。 「うわぁ……はぁ……んっ」 「ええですね、もっと鳴きなはれ……」 そいつはそう言ったあと、ゴキュゴキュと喉を鳴らしていた。 「まったりとしたええお味で……もうたまりませんわ」 そいつはそう耳元で囁いた後、スーっと指で首筋をなぞり、俺の目の前でパクッとくわえた。 「今日はこのくらいにしときまひょか……」 そいつが肩から手を離して口を拭いたのを見て、壁にからだを預けてケツを地面につける。 「あら、へたばりはって……堪忍なぁ」 そいつはそう言ってキュッと目も口も三日月状にした。

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