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ジョシュア×浜宮勘太(はまみやかんた)
静かに勘太に近づいていくと、首筋に置いた右手の指の間から血がポタポタと流れていた。
「アイヤー、もったいない……」
青年はそう言って右手を取り、首筋に噛みついてジュルッと血を吸い始めた。
「こいつ、美味いわ……持って帰ろ」
首筋をペロッと舐めた後、避けた右手を舌で綺麗にしてそう言った。
静かに立ち上がって少し離れた青年は右手を握りしめたまま勘太の方に伸ばし、パッと手を開いて上に上げた。
すると、意識の無い勘太が浮き上がり、スッと立つ姿勢になった。
「うわぁ、俺よりデカイわ」
青年は浮いている勘太を頭からつま先まで見てそう言うと、身体を近づけていって勘太の腰を掴んだ。
すると、勘太は力が抜けたように青年にもたれかかった。
「望み通り、遠い所に連れてったる」
青年はそう言ってトントンと勘太の背中を叩き、黒いマントを翻して消えてしまった。
fin.
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