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第19話
「もしもし?どうしたの?何かあった?」
『あ、兄さん!お仕事お疲れ様!あの、今日と明日、友達の家に泊まることになったんだ!』
「え、そうなの?迷惑じゃない?」
『友達一人暮らしだし、大丈夫!じゃあね!』
ブチッと一方的に切られた。でも、弟のあんな楽しそうな声を聞いたのは久しぶりで安心した。一緒に居る時は学校の話や友達の話はほぼ聞かないので、もしかして友達居ないんじゃ?と不安だったんだ。
いつも我慢ばかりさせてしまっているから、たまには中学生らしく無邪気に遊ぶのは兄として嬉しい。
「弟なんて?」
「今日と明日、友達の家に泊まるって電話で」
「そうか。じゃあ今日は時間を気にしなくていいんだな」
ニヤリと笑うレンさん。嫌な予感がするぞ。
また昨日みたいな事をするのだろうか。正直、初エッチは気持ちよかったけれど…。
だけど、何というか… まだ少し恥ずかしいと言うか… 抵抗があるというか…。まさか初めてのエッチであんなに乱れるとは思っていなかったし、まさかこの人に初めてを捧げるとも思っていなかった。想像以上に甘く、優しく扱ってくれて……。
「顔赤いぞ?大丈夫か?」
「だ、大丈夫!」
やめよう!変なこと考えるのは!
なんか、意識してしまうとドキドキしてくるじゃないか…!
「失礼します。お待たせしました」
襖が開いて、店員さんが頼んでいたお肉を持ってきてくれた。
お皿に綺麗に並べられたお肉は、スーパーでいつも買っている安物のお肉とは比べるまでもなかった。
このお肉、絶対美味しい!
食べなくても分かる、美味しい!
なんて言ったってよくテレビで見る高級なお肉の色をしている。霜降りがすごい。
わくわくしていると、レンさんがお肉を焼き始めてくれた。
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