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第23話

「あ、明日土曜日だよな。夏樹は休みなのか?」 「え、はい。休みですけど…」 明日が休みだから抱き潰すとか!? うーん、流石にそれはちょっと困るかも…。だけどレンさんからでた言葉は予想外で。 「なら、ゆっくり寝れるな。仕事疲れただろ?もう寝てもいいぞ」 からかってる…ようにも見えないし、本当に俺の体を気遣ってくれているのだろう。 俺の背中をポンポンとあやす様に叩いてくれる。気持ちは嬉しいけど、なんだか複雑な気分だ。 まさか、俺とのエッチが気持ちよくなかったとか?フェラが下手すぎて呆れてるとか? 有り得るかも…。めんどくさいガキだと思われてたらどうしよう…。本当はもう会いたくなかったけど俺に同情して無理矢理会ってくれているのかもしれない。 考えれば考えるほど不安になる。 「…レン、さん…」 「ん?」 ぎゅっとシーツを握りしめて、レンさんの胸に顔を埋めた。 「今日は、しないんですか…?」 「え?」 たぶん、今の俺の顔は人様にお見せできるような顔じゃない。 レンさんに嫌われたらどうしようと考えていると、不安になってどうしようもなくなる。 絶対に見せないようにしよう、と思っていたのに顔を両手で包まれてレンさんに上を向かされてしまった。 「はぁ…、なんて顔してんだよ」 「ごめ、なさっ…見ないでっ…! んむっ!んっ、ふ、ぁっ…」 手で顔を覆って、見られないようにしていたのに、両方の手を退かされベッドに縫い付けられる。 そして、唇と唇が触れ合った。先程した触れるだけの一瞬のキスではなく、濃厚な大人のキス。 逃げる舌を絡まされ、チュクチュクといやらしい音が響く。

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