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第24話

やっと唇を離される頃には、もうクタクタになっていて、体に力が入らなかった。 さっきのキスとは全然違う。 文字通り、骨抜きにされてしまった。 「エロい顔。 そんなに俺とエッチしたかった?」 「ち、違うっ… したかったわけじゃなくて…」 「じゃあ何だよ?」 これは言った方がいいのだろうか。 だけど、これを言ってしまうと子どもだと思われてしまう。面倒なガキだと思われたくない… 今までなら、ただお金を貰う関係なのだから相手にされなくなったら切り捨てた。別にこの人に嫌われようと俺には関係ないから。 だけど、レンさんは…何か違う…。嫌われたくないと思ってしまう。 うー、と唸りながら言うか言わまいか悩んでいると、手を引かれてレンさんの腕の中に収まった。 「ちゃんと言って。大丈夫だから」 「…その、俺とのエッチ、嫌なのかなって…」 「まさか。そんな事思う訳ないだろ?」 レンさんの口調からして嘘は付いてないと思う。 ただ、すごく驚いているようだった。 ふぅ…と息をついてから、レンさんはポツポツと話し始めた。 「今日、エッチに誘わなかったのは夏樹の体が心配だったからだ。 あまり無理させたくなかったから」 「そんな、気を遣わなくても…」 「お前はロボットなのか?人間だろ。疲れたら休めよ」 その言葉に胸が暖かくなる。レンさんは、俺のことを大切にしてくれている。きちんと俺の体を考えて配慮してくれて、優しくて、大人の男性だ。 それなのに俺は…、そんな事にも気付かずに一人悩んでバカみたいだ。

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