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第42話

「俺野菜切るんで、蓮さんはお肉炒めてください」 「分かった。どの鍋だ?これか?」 蓮さんが手に取っていた鍋はとても小さい鍋だった。そんな小さいのに二人分の肉じゃがはとても入らない。 そういうボケ…なのか?蓮さんがボケるなんて珍しい。 「それは小さすぎるので、もう少し大きい鍋で…。これとかいいと思います」 「分かった」 ちょうどいい鍋を渡してやり、野菜切りを再開する。 玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを順番に皮を剥いて、切っていく。 蓮さんってどのくらい食べるんだろう。少し多めに作っておこう。いつも弟と食べる分より少し多めに野菜を切った。 「お前野菜切るの上手いな。すげーじゃん」 「このくらいならできますよ。 ところで蓮さん」 「なんだ?」 「火が強すぎです。強火で炒めたらお肉が焦げるので中火くらいで大丈夫です」 ふと隣を見ると、もう少し焦げてしまっているお肉が。良かった、もう少し遅かったら黒こげだ。 「そ、そうなのか…」 「はい」 少し落ち込んでいる蓮さんを心配しながらも、野菜を切るのを再開する。大きい蓮さんが、今は一回り小さく見える。少し、可愛いと思った。 本当に料理苦手なんだな…。蓮さんの場合、火が強いせいで黒焦げになってるんじゃ…。 まぁこれから覚えていけば何の問題もないしいいか。 今は俺が見張っているし、火事にはならないだろう。 たぶん蓮さんは料理の仕方をわかってないんだと思う。きちんと覚えれば黒焦げにすることは無いと思うし、火事になる事もないだろう。

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