43 / 114

第43話

お肉に火が通った頃に、野菜を全部切り終えたので野菜も鍋に入れて一緒に炒める。 玉ねぎがしんなりするくらいまで炒めたら、適量のお水を入れ、調味料を入れる。 調味料は蓮さんに入れてもらおうと思い、計量スプーンを渡した。 「今から言う調味料をそれで入れてください」 「分かった」 「砂糖大さじ2」 計量スプーンに盛り盛りの砂糖を鍋に入れようとしていたので全力で止めた。 危ない…あっっっっっまい肉じゃがになる所だった。 「大さじ1はすり切りです!その量の砂糖入れたらすごい甘い肉じゃがになっちゃいます!」 「すり切りなのか…。知らない事ばかりだ」 大丈夫、人は皆初めて知る事から物事を分かっていくのだ。全然問題ない。 なんとか後の醤油、みりんも入れてもらい、後は煮込むだけだ。 料理酒は無かったから入れない。 実は少し醤油を零していたので、こっそり拭いておいた。 「夏樹には毎日ご飯を作ってもらいたい」 「毎日は無理です。でも俺が来る日は作りますよ、俺が料理できるくらい元気なら」 「もう一緒に住むか。養ってやるから」 「遠慮します」 またそんな事を言って…。俺に言うセリフじゃないでしょ…。 そう言うのは、女の子に言ってあげたらいいんじゃないか?そしたらきっと「うん」と行ってくれると思う。 だけど、もしそれが現実になったらもう蓮さんとこうして会うことも無くなると言うことだ。うーん、それはちょっと寂しくなる。蓮さんに会うのが俺の生活の一部になっていて、それがピタリと無くなるのは少し寂しく思う。 あんなに嫌いだと思っていたのに、今は一緒に居るなんて…なんか不思議だ。

ともだちにシェアしよう!