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第44話
「そろそろできる頃ですよ」
「こんなに早く出来るのか、すごいな」
「すごいのはこの鍋です! これ最近の短時間で煮物が作れるやつですよ!こんなにいいの持ってるのに料理しないなんて勿体ない!」
蓮さんの家にあるのはどれも最新式のキッチン用品ばかり。今肉じゃが作った鍋だって、この間テレビで紹介されてて、欲しいなぁと思った鍋だった。その鍋にまさかここで出会えるとは…!運命とはまさにこの事!
それこそ一緒に住めば、毎日この最新式のキッチン用品を使って料理できるんだけどな。
でも一緒に住むほど仲いい訳じゃないし、俺たちの場合ルームシェアになるのかな?それに今住んでるアパートから会社まで距離が近いのでとても便利だ。
俺なんかが一緒に住めば、蓮さんの彼女が来づらくなるだろうし…。彼女居るのか知らないけど。
「なんか秘書が勝手に揃えてたんだよ。だから俺は何があるのか全くわかってない」
「へぇ、秘書さんがいるんですね…。まぁいるか、そうだよな…」
「心配するな、秘書は男で恋人がいる。浮気はしないぞ」
「そうなんですね。まぁ俺たち付き合ってないですけど」
付き合ってないから、別に蓮さんの秘書さんが男であろうが女であろうが、俺に口出しする権利はない。それこそ秘書さんとお付き合いしていても、俺には関係のない事なのだ。
むしろ相手からしたら、俺は浮気相手になる訳で。
今のところ、お付き合いしている人は居ないみたいだけれど、もし蓮さんに恋人ができたら少し寂しいが俺は蓮さんと関わることを止める。
どんな相手であっても、祝福するんだ。
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