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第45話
肉じゃがを盛り付けて、二人で食べる。
今日も良い味付けで美味しい。
いいな、あの鍋。本当に短時間しか煮込んでないのに野菜が柔らかい。火の通りにくいじゃがいもも柔らかいし、感動だ。
「美味い…こんな美味い肉じゃがは食べたことがない。玉ねぎも食べれるぞ」
「それは言い過ぎです。蓮さんいつも高いご飯食べてるし。所詮、庶民の作る料理ですよ」
ベタ褒めされるのは嬉しいのだが、褒められる事にあまり慣れていない為、少し恥ずかしい。
それに、いつも蓮さんが連れて行ってくれるお店のご飯の方が100倍美味しい。
弟もすごく美味しいと言ってくれるが、家族以外に食べてもらったのは初めてで反応が気になる。
でも、いつも連れて行ってもらう高いお店にはどう頑張っても勝てない。高級料理店が庶民に負ける事などまず無いだろう。
庶民の味なのだ。俺は庶民だからな。
「庶民とか関係ないだろ。俺はこの味が好きだ」
「…あ、ありがとうございます…」
もう、褒めるのが上手いんだから。
でも蓮さんに気に入ってもらえたのなら良かった。
食べ終わって、食器を洗おうとしていると蓮さんが変わってくれた。
蓮さんって食器洗いできるんだ…なんて失礼な事を思った。それも大きな洗浄機があるから、その中にポイポイお皿を放り込むだけだが。
「先に風呂入ってこいよ。タオルと着替え出してるから」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
ラッキーと思い、お風呂場に向かった。初めてお風呂場に入ったけど、浴槽デカいしめっちゃ綺麗で感動した。
うちはユニットバスだから狭いし、湯船に浸かりたくても浸かれない。
今日は久しぶりに足の伸ばせるお風呂に入れて幸せだ。
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