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第47話
「蓮さん、眠いならまだ寝てもいいんじゃ?今日休みでしょ?」
「……」
話しかけているのに何も返事してくれない。
おかしいな、聞こえてると思うんだけど…。無視はしないハズ…。
蓮さんの顔を覗き込んで見ると、なんとびっくり。
「起きたまま寝てるし…」
それほど疲れていたのか、それとも物凄く朝に弱いのか。
どちらにしても、蓮さんの新しい一面を知ることが出来た。
このまま放置するのはアレなので、とりあえず適当に寝かせてやった。
デカい子どもみたいだな。朝弱いし、玉ねぎ嫌いとか言うし。
今のうちにパパッと朝ごはんを作ってしまおうと思い、キッチンにきた。
昨日色々買っておいたから、冷蔵庫の中にはそれなりに材料が入っている。
昨日蓮さんが買ってくれたデパ地下の高いワッフルを温めて、付け合せのスクランブルエッグとベーコンを焼く。後は横にサラダを乗せたら…完成!
高そうな朝食が出来た。普段ならこんな贅沢な朝食食べないけど、蓮さんのお陰だな。
もう9時になるし、そろそろ起こした方が良さそうだ。朝食も冷めてしまっては美味しくない。
寝室に行くと、蓮さんはまだ寝ていた。すー、すー、と規則正しい寝息を立てて気持ちよさそうに眠っている。
起こすの悪い気もするけど、もう9時だしそろそろ起きてもらわないと。
ベッドの傍の床に座り、蓮さんの寝顔をマジマジと見つめる。イケメンって寝顔もイケメンなんだぁ、なんて考えながらポケットに入れていたスマホを取り出し、パシャリと一枚だけ写真を撮った。
よし、満足。起こすか。
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