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第66話
*
「いただきまーす」
「いただきます」
次の日の朝、束の間だが愛する弟と共に朝食を食べる。
俺の弟は今日も可愛い。今日はいつもよりご機嫌な気がする。
「そうだ、兄さん。俺、やっぱり高校に行こうと思うんだ」
「ほ、本当に!? ちなみに、何処に行くとかは決めてるの?」
「神代かな」
弟がついに高校に行くと言ってくれた!!俺はそれだけでも嬉しいのだが、決めてる高校が神代(かみしろ)学園って!
だ、大丈夫なのか……?
神代学園は都内でも有名なお金持ちが通う学校と言われている。学費は高いし、偏差値も高い。都内有数の御曹司や、社長令嬢が通うというあの神代へ行くのか!?
年間の学費、何百万いるんだ!?今の俺の貯金じゃ全然足りない!
しかも春樹、頭はそんなによくない。テストの結果とか見てるけど、その……ある意味すごい数字が並んでる。テスト期間中も勉強する様子は無かったし、当たり前と言えば当たり前なのかもしれないが。俺は一夜漬けで覚えるタイプだから、春樹もそのタイプだと思っていたけど違ったみたいだ。本当に勉強しないタイプみたい。
問題はお金と頭だな……。
「あのね、学費の件だけど、神代のOBの人と知り合いでね、うちの事情話したら学費免除してあげるって!」
「えぇ!?そんなのあるの!?大丈夫!?騙されてない!?」
「大丈夫だよ! それで、今その人と一緒に勉強してるんだ!」
待って待って、話についていけない。
学費免除とかあるのか?その人は本当に大丈夫なのか?
でも春樹に勉強を教えてあげるという事は、少なくとも協力的だ……。というか、そんな人とどこで知り合うわけ?
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