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第68話

「遠野!おめでとぉ! どんな感じやった?」 「伊東……ありがとう。どうって……普通だったよ。怖い人じゃなかったし」 「そっかぁ!よかったな!」 まさかSNOW DROPSの社長と知り合いでしたなんて言えないよな。ましてや元セフレ関係でしたなんて死んでも言えない。 言うつもりないけど。そんな事バレたら俺まで会社クビになるし。蓮さんの明るい未来も台無しになってしまう。 打ち合わせの日程決めろって言ってたな……。今蓮さん忙しいのか?まぁ社長さんだしいつでも忙しいんだろうな。 ……いや、どうなんだ?いつも俺の事迎えに来てくれたり、ご飯連れて行ってくれたり、蓮さんの家に泊まったりしてるけど、仕事してる様子ないよな……? 暇なのか?いや、大手企業だし暇なことはないだろう。それとも時間配分が上手いのか? 部下に全部押し付けてるとか?それはダメだな。 考えれば考える程謎すぎる。 「そう言えば遠野、恋人でもできた?」 「え!?こ、恋人というか……なんと言うか……。てかなんで分かったの!?」 「ココ」 伊東が自分の首元をトントンと指さす。 まさかと思い、急いでトイレに駆け込んだ。鏡で確認すると、赤い点が首元に。 れ、蓮さんー!!!!!!! じゃあ俺ずっとキスマーク付けたまま出社してたってこと!? と言うか気づいてたならもっと早く言ってくれよ伊東!! 今日は暑い日なのに、ボタンを全部締めないといけないハメになった。 蓮さんにちゃんと言っておこう。見える位置には付けるな!と。じゃあ見えない所にいっぱい付けられそうで怖いな。

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