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第69話
それから伊東に絆創膏をもらい、一応見えないようにキスマークの上に貼っておいた。幸い夏だし、蚊に刺されたという事にしておこう。
伊東がムヒを持ってきて、虫刺され(キスマーク)の上に塗っているところを見て、皆「なんだ、虫刺されか」「彼女に付けられたのかと思った」などと口にしておりヒヤヒヤした。伊東のナイスプレーに感謝だ。
昼休み、伊東と一緒に屋上で昼ごはんを食べる。
「本当にありがとう!助かった!」
「ええよ、気にせんといて!俺もたまに付けられるから、絆創膏常備してんの!」
「伊東も彼女いるの?意外だな」
「失礼な!ま、俺の場合はダーリンやけど」
コソコソと耳元で教えてくれた。
ダーリン……?という事は、男!?
伊東も男の人と付き合ってるってこと!?
「ごめん、引いた?やっぱキモいよな」
「いや、いやいやいや!あの、実は俺も……なんだけど……」
「え!遠野も!?なにそれすごい!!」
実は伊東も男の人と付き合ってると分かり、少しだけ安心した。
こんなに近くに居たなんて驚きだ。
「じゃあ遠野が抱かれる方なんや?」
「だ、抱かれ……う、うん……」
「俺も抱かれる方やから大丈夫やって」
「まぁ、伊東が抱いてる姿が想像できないからな」
「失礼な!俺だってできるもんね!ミジンコマグナムでアンアン言わせてやるわ!」
やめろ、ミジンコマグナムとか言うな!確かに小柄な伊東に立派なモノが付いているとは思っていなかったが、言い方!
ミジンコマグナムにツボってケラケラ笑っていると、電話が鳴った。
誰だよ?俺こんな状態で電話出れない。笑いが止まらん。
画面には、『蓮さん』の文字が。
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