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第73話
「俺、蓮さんと契約取れて褒められたんですよ!本当にありがとうございます!」
「そうか、良かったな。俺もお前と居る時間が増えて嬉しいよ」
「やっぱりそれが目的だったんですか……」
蓮さんに仕事で褒められたことを話すと、にこりと微笑んで頭を撫でてくれた。完全に子ども扱いされている。
と言うか、俺は褒められて嬉しいし、仕事も増えるから嬉しいのだが、蓮さんはうちみたいな無名の会社と契約して本当に良かったのだろうか……。 俺がとやかく言う筋合いはないから黙っておくけれど。
しばらく仕事の話をして、沈黙が訪れる。
そうだ、春樹のこと蓮さんに相談してみようかな……。
「あと、相談なんですけど」
「なんだ?」
「弟が高校に行くと言ってくれたんです。それはいいんですけど、なんか高校のOBの方に学費免除するって言われたらしくて……」
「へぇ、どこの高校なんだ?」
「神代学園です」
高校の名前を言うと、あぁ……と納得したように頷く。
なんだよ?なんで納得しているんだ。
「俺もそこの卒業生だが、その学校に通ってる奴らは皆腐るほど金を持ってる。免除くらいして貰えると思うぞ」
「だから、どういう事ですか?」
「お前の弟、そのOBと付き合ってるってことだ」
「えぇ!?」
てっきり同級生だと思っていたのに、年上!?
しかも神代学園の卒業生だなんて!
どこでそんな人と知り合うんだ?!春樹、兄さんに何か隠してるな!?
てか何歳だよ!相手何歳!?
「俺よりも年上ってこと……?」
「その可能性はあるな。卒業生だし、お前と同い年か上しかないもんな」
これはただの憶測だったのだが……衝撃的すぎて開いた口が塞がらない。
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