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第74話
め、目眩がする……。
これは帰ってから確認する必要がある。
別に、別れろとは言わないが一応確認しておきたいのだ。その人にお金を払ってもらう以上、その人との将来を考えているという事になるだろう。
これは兄として、春樹の相手はきちんとした方なのかを確かめたい。
「そんなに気にしなくていいんじゃないか?」
「気にしますよ!俺のたった一人の家族なんですよ!変な人に捕まったら大変じゃないですか!」
「……家族か。じゃあ、俺たちも家族になろう。そしたら一人じゃなくなるぞ」
「は??」
またこの人はぶっ飛んだことを言う……。
大体、家族になると言うことは結婚するということだろう。日本はまだ同性婚は認められていないけど。
この人なら、「海外で式を挙げよう」とか普通に言いそうだし、実行しそうだな。
と言うか、結婚はまだ早いだろう。どんなスピード婚だよ。
「早く決断すると、後悔する事もありますよ。それは2人でゆっくり考えましょう」
「まぁ、そうだな。でも、将来的には結婚するぞ」
「それまで続いてれば、ですけど」
そう言うと、蓮さんはムスッとした顔をしていたが、俺たちの関係が長く続くかどうかはまだ分からないから、俺の言い分は間違ってないと思う。
それに、蓮さんのようなすごい人、俺には勿体ない。 きっとこの先、蓮さんは俺なんか捨ててお金持ちの美人さんと結婚するのだろう。
もし蓮さんが望んでいなくても、ご両親はちゃんとした結婚を望んでいると思う。
もしその時が来たら、俺は邪魔者で、蓮さんの幸せを奪う悪魔だ。
だから、その時はちゃんと忘れよう。
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