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第82話

蓮さんの住むマンションにつき、ちょこんとソファに座っていると、冷たいアイスコーヒーを持って蓮さんも俺の横に座った。 俺のアイスコーヒーには、ミルクとシロップが入っていて、蓮さんはブラックだ。 チビチビとアイスコーヒーを飲みながら、事情を聞いてこない蓮さんを横目で伺う。 きっと俺から話すのを待ってくれているのだと思う。 「蓮さん……話し、聞いてくれる……?」 「あぁ」 「俺、弟の為に毎日頑張ってたんです……。仕事も、本当は嫌いなフェラだって……。でも、俺が援交してたのバレて、実は弟も援交してて……」 「……ん?」 「春樹には体を傷付けて欲しくなかった……。頑張るのも俺だけでいいと思ってた。春樹、俺に何も話してくれない……、もう、わかんない……」 止まっていた涙が零れて、頬を伝いポタポタと落ちる。 やばい……。泣くなんてみっともない……。面倒な奴だと思われる……。 「本当に、不器用と言うか……、すれ違ってると言うか……。兎に角、お前も好きで援交してた訳じゃないだろ?きっと弟にも事情があったんだよ」 「うぅ……事情ってなに……、おれに言えない事なの!?」 「それは知らんけど。ほら、寝室行くぞ」 グスグス泣きながら手を引かれて寝室まで行く。 まだスーツを着たままで、シワになるからと次々と脱がされて、代わりに少し大きめの蓮さんのTシャツを着せられた。 「よし、風呂行くぞ。特別に一緒に入ってやる」 「……一人で入れるもん……」 「今お前を一人にしたら風呂で溺れそうだから、一緒に入る」 別に溺れはしないと思うけど……。でも、蓮さんの気使いに胸がジーンとなって、お言葉に甘えて一緒に入る事にした。

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