「明日、15時から打ち合わせだぞ。忘れてないか？」 「はい、ちゃんと覚えてますよ。もう金曜日になるなんて早いなぁ……」 春樹が出て行って4日が経った。制服は取りに来たみたいだが、それ以外は帰ってきた形跡はみられない。 俺も蓮さんのマンションに泊まっているが、たまに仕事終わりに様子を見に帰っているのだ。 4日も弟に合わないのは初めてでは無いだろうか。修学旅行ですら1泊2日なのに。 春樹は俺なんかより、大好きな彼女と過ごす方が良いんだろうな。 そういう俺も今は蓮さんと一緒に居るけど。 「弟からの連絡は？」 「ナシです。相当怒ってるみたいで……」 「そうか……。まぁ、弟の気持ちの整理が着くまで待とう。今はそれしか出来ない」 「ですよね……」 無理矢理話した所で、また喧嘩になるのは目に見えている。 と言うか、春樹はもう俺に会いたくないのかもしれない。俺みたいな汚れた人間が兄なんて嫌なのかもしれない。 だって、金の為ならフェラだって、男にだって抱かれる。 こんなヤツが兄なんて、恥ずかしいよな……。 だけど、それでも……。俺は後悔なんてしていない。どのみちお金は絶対に必要だったし、一番は蓮さんに出会えたと言うこと。 これだけは、後悔してはいけない。