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第94話
「痛っ!早川さん!手、離して下さい!!」
「本当に、君にはガッカリだよ。せっかくここまで優しくしてきたのに、全部台無しじゃないか」
「え……?」
無理矢理公衆トイレまで連れて行かれ、個室の鍵を締めながら冷酷な顔をしてそう言う。
さっきまでの早川さんじゃない。今目の前にいる男性は一体誰なのか……?
両腕をネクタイで拘束され、声が出ないように口にはタオルを詰められて完全に動きを封じられてしまった。
トイレの壁に体を押し付けられて、服の上から身体を愛撫される。
「っ、う゛ぅ、んー!!」
「あぁ……ずっとこうして君の体に触りたかったんだ。 ずっと我慢して、我慢して……やっと会えたと思ったら恋人を作っているだなんて。本当に、君には失望した」
服の中に手が滑り込み、胸の突起をギュッと痛いほど引っ張られる。
わざと痛くしているんだと思うが、それでいい。
快感は蓮さんから与えられたいから。
「君は私の恋人にしようと思っていたんだが……汚れた夏樹くんはもう要らないな。これからは私の店で身体を売ってもらうことにしよう」
早川さんのその発言に頭をブンブンと振って抵抗する。
身体を売るってどういうこと?風俗にでもぶち込まれるという事だろうか。そんなの絶対に嫌だ。
だってまだ、弟と仲直りしてない。蓮さんと離れたくない。
キッと早川さんを睨み付けると、早川さんは益々不機嫌な顔になる。
「この私に向かってその態度は何だ?立場をわきまえた方がいいんじゃないか」
胸を弄っていた手は、いつの間にか俺のズボンを降ろそうと下に来ていた。
早川さんはニヤリと笑って、とても怖くて、不気味で、今すぐ逃げ出したい。
「客に提供する前に、特別に君のナカの具合を確かめようじゃないか」
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