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第100話
それから体と頭も洗ってもらい、2人でゆっくりとお風呂に浸かる。
蓮さんの足の間に座るようにして、後にある引き締まった男らしい体を背もたれにしてウトウトとしていた。
「おい、寝るのか?エッチしない?」
「……したい……」
はっきりと「する」と言えなかったのは、先程早川さんに無理矢理お尻に指を突っ込まれていた時、太ももに液体が伝う感触がした。
蓮さんが風呂に入ってくる前に確認すると、やはり少し切れていて、怪我をしていると蓮さんは抱いてくれないんじゃないかと思ったからだ。
現に今だって、腹を蹴られて青紫色になっている痣を優しく、悲しそうな顔をして撫でてくれている。
俺に怪我をさせてしまったのを、後悔しているのだと思う。だけど、俺だって男だし丈夫だ。それに大事には至らなかったのだから、俺はそれでいいと思っている。
「蓮さん、俺が他に怪我してても……エッチしてくれる……?」
「 ……他にも怪我してるのか?」
俺のその言葉に、顔を歪めて不機嫌そうな顔をした。
やっぱり言わない方が良かったかも。だけど、言わなくてもいずれはバレただろうし。
いや、自分で後ろを解して、俺が上に乗っかればバレないかもしれない。
思い付くのが遅かった。時すでに遅し。
「見せろ。何処だ?」
「……んー、でも大した事ないと思うから……」
「お前が俺にそう聞くって事は……ここか?」
「いっ!」
怪我をしたお尻を触られ、つい声を出してしまった。しかも、気持ちいい時の甘い声でなく、痛い時の「いっ!」て声が。
しまったと思い、口を手で覆う。
バレてしまって、蓮さんを見ないように目を泳がせる。蓮さんを見ていないが、しっかりと視線は感じている。だからこそ見たくないのだ。
「なんで言わなかったんだ」
「……痛くなかったから」
「嘘つけ。今触ったら痛がってただろ」
「……」
もう何の言い訳も思いつきません。
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