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第103話
「本当に入れないつもり?」
「当たり前だろ。結構切れてるぞ。写真撮って見せてやろうか」
「結構です」
蓮も内心、「少しの傷なら挿入できるのでは?」と期待していたのだが、いざ傷を見てみると、結構切れていて痛そうだった。これ以上傷を広げるのは良くないと思い、挿入は我慢。
この傷なら、風呂入るのも痛かったんじゃないだろうか。夏樹が「痛い」なんて一言も言わないから、浅い傷なのかと思っていたのだ。
「ローション取って」
「ローション?やっぱり入れるの?」
夏樹は疑問に思いながら指示された通り、ベッドサイドキャビネットを開けてローションと一応ゴムも出したが、「ゴムは要らない」と元の場所に戻された。
「夏樹、後ろ向いて。お尻突き出して」
「え、えぇ?こう?」
「そう。ちょっと冷たいぞ」
四つん這いになり、お尻は蓮に突き出す形にすれば、ローションのひんやりとした感触がした。どうやらお尻にローションを垂らしているらしい。これならいつものセックスと同じじゃないか。やっぱり蓮さんは俺を抱く気だな、と抱かれる気満々だったのに。
「もうちょっと足閉じて」
「はぁ……?」
足を閉じては挿入しにくいのでは?と思ったが、蓮の言う通りに足を閉じた。本当に考えている事が分からないと夏樹は思考を巡らせた。
すると、足の間からズプンッと固くて熱いモノが割って入ってきた。
え?え??ここ足の間だけど……、入れる所間違ってる?
「え?なになに?なんで?」
「素股知らねぇの?こうやって、挿入せずに足の間に入れて、セックスしてる感覚になれるんだ。ほら、気持ちいいだろ?」
「ひっ、あぁ……!裏、擦れて……!」
ゆっくりと腰を動かして、蓮の立派なモノと夏樹の小ぶりなモノが擦れて快感を生む。
男なら誰しもが気持ちいいと感じるであろう裏筋が、動く度に擦れて堪らない。
素股というそれは、いわゆる擬似セックスに似てるなぁ、なんて思った。
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