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第105話
ぱくぱくと寂しそうに呼吸している蕾に、蓮のペニスを当てがった。
大胆な行動をする夏樹を蓮がまじまじと見つめて恥ずかしいが、今は蓮のモノが欲しかった。
ググッと腰を落とせば、肉壁を押し破って入ってくる肉棒。いつもならうっとりとするが、今回は違う。痛みに顔を歪ませて「痛い!!」と叫びたいほど痛い。
「痛い……」
「だから言っただろ……。早く抜け、傷が広がるぞ」
「嫌……、です、抜かない!」
珍しく駄々をこねる夏樹に、どうしたらいいのか分からなかった。挿入時、痛いだろうと予想はしていたが、蓮も下心ありありで挿入したくてきつく止められなかった蓮のせいでもあるのだ。
夏樹は痛みに耐えながら、腰を動かした。
気持ち良くなったら、痛みも快感に変わると言うではないか。よくAVで女優さんが男優さんにお尻を叩かれて感じているのは、痛みも快感に変えてしまうかららしい。
だから自分が一番気持ちいい所で動けばいいのだ。
腰を浮かせて、蓮のモノを少し引き抜く。腹側にある前立腺に擦り付けるようにゆっくりと再び腰を下ろせば、ピリピリとした甘い快感が体を走った。
痛いけれど、ちゃんと気持ちいい。人間の体ってよく出来ているなぁと関心する。
ゆっくりと前立腺を擦るように動いていると、だいぶ痛さにも慣れてきた気がする。
まだ痛いのだが、なんと言うか、痛気持ちいいというか。きっとアドレナリンが出ているのだろう。
「おい、痛くないのか?」
「痛くないよ。痛みに慣れてきたのもあるけど、気持ちいい所擦れてるから痛みなんて忘れる」
物足りなさそうな顔をした蓮が夏樹にそう問う。蓮としては、今すぐ止めて欲しかった。嫌とかではなくて、ゆっくりと動かれると物足りなくて、つい夏樹の体も気にせず腰を振ってしまいそうになるからだ。
動きたいけれど、動いてはいけない。
生殺し状態だった。
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