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第106話
「あっ……!すご、気持ちぃ……」
「うっ、待て待て、あんまり締めるな……!」
蓮の上で好きな様に腰を振る夏樹は、気持ちいい所にモノが当たってキュンキュンと蓮を締め付ける。
たまには上になるのもいいかもしれない。いつも蓮さんを見上げてばかりだから。
そんな事を思いながら、上機嫌で蓮を見るといつにも増して目付きが悪かった。と言うか、睨まれてる、すごく……。
「あ、あの……何か不満でも……?」
「不満とかじゃねぇんだ。正直、俺の上に乗って頑張って腰を振る夏樹はすごくエロくて興奮するんだ、毎日やって欲しいくらい」
「変態……」
「変態じゃねぇよ。……俺の忍耐力の問題なんだ。俺に構わず続けてくれ」
忍耐力……とは?セックスするのに忍耐力って必要なのか?
とは思うが、蓮の顔を見たら大体何を我慢しているのかは分かる。本人は隠しているつもりだろうけれど、バレバレだ。
「もう、物足りない事くらい分かってるし。好きにしていいのに」
「気付いてたのか……。いや、今日は流石にダメだろう。夏樹の体が心配だ」
なんて紳士的なことを言っているが、今にも襲って来そうなほど切羽詰まっているのが分かる。
夏樹だって男なのだから、体は頑丈に出来ているはず。ものすごく激しくなければ耐えられると思う。でも、いつもみたいに2回、3回の延長戦はちょっと無理かな。
「はー、動くの疲れちゃった。蓮さん、変わって」
「え?あ、あぁ……」
騎乗位から、いつもの正常位に体位を戻した。
本当は疲れてなどいないが、これで動くのは蓮しかいないし、こっちの方が動きやすいかなと思って。
寝転んで、軽く息をついて蓮の体を抱き寄せた。首に手を回し、耳元で「早く動いて?」と色っぽく囁けば、蓮は顔を真っ赤にして夏樹を見下ろした。「煽るのもいい加減にしろよ」と顔に書いてある。
「もう痛くないからさ、すっごく激しくなければ大丈夫だよ。いつもと同じ感じで」
「そ、そうか……?いつもと同じ感じで動いていいのか……?」
「いいよ」
蓮は我慢の限界で、だけど酷くしないようにありったけの理性を掻き集めてなんとか紳士的に振る舞う。
その様子に夏樹は胸がじんわりと熱くなった。こんなにも大切にしてもらえてるんだ、と。
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