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トキノネ

 カチカチカチ──  俺が設定したアラームが鳴る前に、今日もあいつの時計の音で目が覚めてしまった。仕事のためだ、とは言ったものの、五つも同じものを買うなんてどうかしている。  身体を起こして部屋を見渡すと、あいつは雑然としたデスクで作業をしている。  この調子だと、徹夜していたに違いない。  俺はベッドから出てあいつに声を掛けようと近付いた。しかし、数歩歩いたところであいつは気付いたようだ。 「おや、おはよう」 「……寝てねえだろ」 「うん」 「早く寝ろ」 「この作業が終わったらね」  そう言って再びデスクへ真っ直ぐ向く。そんな態度に少々苛立ち、あいつの身体を抱えてベッドへ放る。 「うわっ」 「起こしてやるから寝ろ」 「はーい」 (この話は、2018/7/16開催の第7回Text-Revolutionsで無料配布したポストカードと同じ内容です)

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