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「へぇ、これが... ?」
「うん。あ、ほら、この角度、暁斗さんそっくり!」
「自分じゃよく分かんないけど... 響くんはこれが俺と重なったんだね?」
「... ... うん。ごめんね、暁斗さん... 。」
暁斗さんが俺のナカに出したあと、絶妙なタイミングで世話焼き主任から電話があった。
俺がこうなったのと同じように、俺よりゲームにハマった千裕くんは主任にバレて、お仕置き中... 多分エッチの最中に、
『響もやってたりする?』
ってわざわざ暁斗さんに報告してきたんだ。
そのお陰で俺は暁斗さんに事情を説明する時間が出来て、浮気じゃないって分かってもらえた。
「いいよ。それより俺の方が... ... ... ごめんね」
「暁斗さんは悪くないよ... ?」
「あーいや、その... ... 中出ししちゃったから。出したけど響くんが体調崩さないか心配で... 」
「だ、大丈夫... ... だと、思う... 」
和解したあと、暁斗さんは中出ししたことをめちゃくちゃ謝ってくれた。
一緒にお風呂場に行って、すっごい恥ずかしいけど暁斗さんに掻き出してもらったんだけど... なんていうかもう、勃っちゃうんじゃないかってくらいヤバかった。
「俺は、暁斗さんが一番で暁斗さん以外はいらない。... これももう消すから」
「ありがとう。でも消さなくていいよ?もう分かったし、ゲームのキャラクターに嫉妬するとか... ねぇ?大人げなくて恥ずかしい。」
「で、でも!」
「響くんが俺に似たキャラクターだからハマったっていうのは嬉しかったし。あ、でも俺のこと放置するのはやめてね?」
「そんなことしない!絶対!」
「じゃあいいよ」
暁斗さんはいつもと同じ、俺の大好きな顔で笑ってくれた。
こうして俺の『浮気疑惑』は無事解決した。
... ... ... したんだけど。
「響、それ取って」
「へ!?あ、うん... はいっ」
「ありがと」
その日から、暁斗さんはたまーに俺を『響』と呼ぶようになった。
っていうか、多分ワザとそうして俺の反応を楽しんでるような... そんな感じ。
そして俺は慣れない呼び方にいちいちドキドキして、顔を赤くしてる。
「そうそう、あれからゲームの方はどうなの?」
「え!?あ、うーんと... ... イベント中、かな?」
「イベント?」
「温泉イベントだったっけ... ... あ、これ」
「...熱い温泉、萌える恋... ??」
暁斗さんがやめなくていいって言ったあのゲームは、たまにアプリを開いて進めてたりする。
頻繁に開催されるイベントでポイントを稼いで、誠さんはすっかり洋服持ちになった。
そして今は『温泉』が舞台のイベント真っ最中。浴衣姿の誠さんに発狂しそうになったのは、暁斗さんには内緒だ。
暁斗さんはちょいちょい俺にこうやってゲームのことを聞いてくる。
単に話のネタとして聞いてるのか、それとも興味があるのか分からないけど...
その度俺は誠さんを見せてゲームの譲歩具合を報告しているのだ。
「んー、でも温泉いいなぁ... 」
「暁斗さん、好きなの?」
「好きってほどじゃないけど... もう何年も行ってないしね。それに響くんの浴衣姿が見たい。」
「俺の?俺なんか絶対似合わないよ!」
暁斗さんの方が似合います!!
そう心の中で呟いて、この話はサラッと終わった。... ... と、思っていたんだけど。
この数日後、ニコニコしながら暁斗さんは俺に『弥生たちと温泉旅行しよう』って言った。
それは暁斗さんと主任の『仕返し』だったんだけど、そのことに気付いたのは温泉旅行の最中だった。
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