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神社に着くとちょっとだけ繋いだ手を離してもらって、俺はお目当てのお守りをこっそり買いに行った。 旅行前にネットで知ったんだけど、ここのお守りは有名で芸能人もお忍びで買いに来るとか... 片想いの人はもちろん、カップルや夫婦も『末長く一緒に居れますように』ってお守りを買うらしく、俺はどうしてもそのお守りが欲しかったんだ。 幸いお守りはすぐに買えて、自分の分と暁斗さんの分、あとは付き合ったお祝いに千裕くん達の分、4つのお守りをポケットにしまって暁斗さんの元に戻ると、そこには女の子の群れが出来ていた。 「お兄さんめっちゃカッコいい~」 「何処から来たの??」 「一人?お茶しない?」 清楚系に可愛い系、ギャル系に大人のお姉さん... ... 暁斗さんを囲む女の子はまるでハイエナのように『私のものよ!』って迫ってる。 ... そりゃそうだよなぁ。暁斗さんってほんとに今まで彼女居なかったの?って不思議になるほどカッコいいもん。 いや、見た目だけじゃない、中身も大人で仕事が出来て、なんてったって優しいんだ。 たまに意地悪だけどそこもギャップで俺は好き。 男の俺が惚れるんだから女の子が暁斗さんに惚れるのなんて、ほんの一瞬なんじゃないか? ... ... ... とはいっても。 自分の『彼氏』がこうやって囲まれているのを見るのはなんだかモヤモヤする。 さっき逆ナンされたことなんか完全に棚にあげるけど、暁斗さんを囲む人数が多すぎるんだ。 俺の暁斗さんなのに... ... ... !!!!! 「ごめんね?俺、恋人いるからさ」 「うそー!!さっきから一人じゃん!」 「そうそう、見てたよー?」 そうやんわりと断る暁斗さんと目が合った。 目を細めて微笑んで、俺にヒラヒラと手を振る。 『用事は済んだ?』って感じで。 モヤモヤしながらも頷くと、暁斗さんは囲む女の子の間をかき分け俺の方に歩いてきた。 「... 響くん」 「えっ... えぇ!?」 そしてそのまま俺の腰に手を回すと、暁斗さんは女の子たちに向かってニッコリ笑った。 「この子、俺の恋人。可愛いでしょ?」 ポカンと口を開けて固まる女の子達。 女の子達だけじゃない、俺もポカンだ。 『行くよ』って耳元で暁斗さんの声が聞こえて、そのまま俺と暁斗さんは人混みの中に紛れてなんとか女の子達を撒くことができた。 その時一緒にお参りもできて、嬉しかったんだけど... ... もう、大胆な暁斗さんに心臓が付いていかない。 場所が変わるだけでこんなに大胆になれるの? 暁斗さんがカッコ良すぎて困ってしまう... 。 「... ... やっぱり暁斗さんはズルい... 」 「え?何が?」 「ドキドキし過ぎて死んじゃうかも... 」 「それは困るなぁ~、響くんとずっと一緒に居たいのに。」 離れた手を繋ぎ直し、甲にチュッとキスをする暁斗さん。 ... こういうのがドキドキするんだ!!って言いたいけれど、恥ずかしくて俺は固まるだけで。 そんな俺を『可愛いなぁ』って言ってくれる暁斗さんはやっぱり笑顔で。 早速お守り効果が発揮されてるのかもしれない。 ポケットに入れたお守りをギュッと握り締め、『神様ありがとう!』って心の中でお礼を言った。 ✳✳✳✳✳ 「「かーんぱーーい!!!」」 旅館に戻りゴロゴロまったりタイムのあとは豪華な夕食が俺たちを待っていた。 お刺身に鍋、肉に魚がふんだんに使われた料理は机に乗りきらないほどの量だ。 千裕くんはお酒をストップされているから、俺も付き合ってジュースにして、暁斗さんと主任は日本酒を注文した。 それが入ったグラスをカチンと合わせ、俺たちの宴会が始まった。 「おっ、おいひい!!」 「本当めっちゃおいしい!!」 「へー、この肉柔らかいなぁ」 「刺身も酒に合うね」 料理はどれも美味しくて、食べきれるか心配してたけどみんなの箸はハイペースで進む。 流石高級旅館、出される食事も高級食材なのかな。 「響くん、はい、あーん」 「えっ!?あ、あーん... ... 」 俺は暁斗さんの横、机を挟んで反対側に千裕くんと主任が座り、暁斗さんは二人にお構い無しで『あーん』をしてきた。 恥ずかしいけど嬉しい、嬉しいんだけど... ... 「おいしい?」 「ん... ... 」 目の前の暁斗さんは浴衣姿。 何故なら俺と千裕くんがゴロゴロしてる間に、主任と一緒に温泉に入ったから。 俺は逆上せちゃうからって理由で食後に一回入るだけにしようと思ってて、暁斗さんに入っておいでよって言ったんだ。 そしたらまさかの浴衣姿で戻ってきて、あまりの色気ムンムンな暁斗さんの姿に鼻血が出そうになるのを堪えてる。 それなのに真横で食事、しかもあーんって!! 昼間からドキドキしっぱなしの心臓が、ますますドキドキしてしまう。 「はい、千裕」 「あーん♪」 ちなみに主任も浴衣姿。 ピシッと浴衣を身に纏う暁斗さんと違い、何もしていないのに胸元が既にはだけてるのは何でなんだ... ... ? 千裕くんには悪いけど、やっぱりチャラさが滲み出てしまうのだろうか... 。 そんな主任も千裕くんにあーんをしてて、千裕くんは俺と違って慣れた様子で口を開いてる。 実はずっと前から付き合ってたんじゃないか、そう疑いたくなるほど二人は自然にイチャついてて、恥ずかしさに耐える俺はちょっとだけ千裕くんが羨ましくなった。

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