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4-10 ※暁斗×響 弥生×千裕

「響、もっと大きく口開けて?」 「ん、... っ、」 「ちーひろ、口から出てる。やらしー。」 「らって、みきがいっぱいにするからぁ... 」 現在食後のデザートタイム。 バレンタインが近いってことで、和風な旅館なのに生クリームがたっぷり添えられたガトーショコラを出されて、膝の上でなんとも甘い一時を過ごしている。 暁斗さんにあーんされ続ける俺と、生クリームを口の回りに付ける千裕くん。 口移しで何度か日本酒を飲まされたせいで酔いが回っていた。 「おいしい?」 「うん... ... 暁斗さんは食べないの?」 「俺は甘いもの苦手だから」 「... 俺も苦手なんだけど。」 「でも食べてるじゃん?はい、あーん」 「... ... ... あーん」 甘いものは苦手、だけど暁斗さんにあーんされたガトーショコラを食べないわけにはいかない。それに生クリームが無ければほろ苦いガトーショコラは美味しかった。 「ほら千裕、クリーム取ってやるよ」 「ん... っ」 「あっま。よくこんなの食べれるなー」 「ちょ... っ、舐めないでよぉ... っ」 口についた生クリームをペロリと舐める主任もコーヒーはブラックしか飲まない(飲めない)俺たちと同類。唯一甘党の千裕くんが生クリーム担当。 「こら、そんな羨ましそうな顔しないの。」 「し、してないっ!」 「ちゃんと言えばいいのに... ... 」 「やっ、ん、... もぉ、暁斗さん... っ!」 ナチュラルにイチャつく千裕くん達をちょっとでも見ればこれだ。 大して何も付いていない俺の唇の端をペロッと舐める暁斗さん。 さっきから何度もこうやって目の前の二人に対抗するかのように暁斗さんは同じことをしてくるんだ。 酔ってるのかそうじゃないのか、全然分かんない暁斗さんに対して完全に日本酒にやられた俺。勿論抵抗なんて出来なくて、されるがままだった。 「見て、暁斗。千裕のこの顔。かーわいーっ」 「千裕くん、本当に弱いんだね。」 「そうそう。なのに飲みたいってバカだろ?ま、そんなところも好きなんだけどさ。」 「ノロケはいいって。ウチの響も酔うと可愛いよ?俺しか見えないって顔してる。」 「ウチのってお前は旦那か!」 「そうだけど?」 あああ、何話してるんだこの人たちは... !! 本人を前にしてここまで言われるなんて初めてで、頭が沸騰しそうなくらい恥ずかしい... ! 千裕くんはベロベロだから聞いてなさそうだけど、俺はまだそこまでベロベロじゃないんだぞ!? 「... ほら、照れてる響、可愛いでしょ?」 「顔真っ赤じゃん。」 分かって言ってる意地悪暁斗さんを誰か止めて!!! そんな俺の願いは叶うことなく、酔うと色魔になるという千裕くんが更に俺を困った状況に追いやる。 「やーだ!みき、こっちみてっ」 「ちょ... !」 暁斗さんに言われて俺の顔を見ていた主任に嫉妬したのか、千裕くんは主任の顔を掴むとそのまま唇を重ねた。 「ん... ... ... っ」 重ねるだけならよかった。 ... 『可愛い千裕くん』の突然のキスに気を良くしたのか、主任はガッツリ深いふかーいキスを返していて... ... うん、物凄くエロかった。 まさか友達のこんな場面を見ることになるだなんて思いもしなかった俺は、思わず目を背けてしまう。 だけど舌の絡む音とか、唾液の混ざる音とか、千裕くんから漏れる声とか... ... 見なくても聞こえてしまうのが問題だった。 「... 響?大丈夫?」 「だ、だいじょぶ... ... 」 だめだ、これはだめだ。 下手なAVより勃つ気がする。 そんな大惨事を迎える前にこの場をどうにかしなきゃ... !!! 「あ、暁斗さん、俺たちお邪魔みたいだし、散歩にでも... ... 」 「そう?俺は見せつけられて悔しいけど?」 「は... ... ... ?」 「弥生が本気みたいだし、俺もそろそろ本気出そうかなーって」 「あ、あ、暁斗... さん?」 ジリジリと俺の顔に暁斗さんの顔が近付く。 あれー?これって結構ヤバイんじゃ... ?? そう思う頃にはもう暁斗さんの唇と重なっていて、下唇を甘噛される。 「俺たちも見せてあげよ?」 「ちょ!まっ... !んんっ!」 人前だというのに、暁斗さんは止まらない。 お酒の味がする舌が俺の舌に絡んで、逃げても逃げても捕まってしまう。 暁斗さんってこんなに激しいキス、したっけ? 主任に対抗してるのか、いつもよりしつこいくらいに長いキス。 「や... っ、あ、ん... ... あきとさ... っ」 「かーわい。もっとその顔、見せて?」 ああ、きっと暁斗さんは酔ってるんだ。 じゃなきゃこんなこと、するわけない。 少しはだけた浴衣の隙間から見せる暁斗さんの肌がいつもより色っぽく見えるのも、人目を気にせずエッチなキスをしちゃうのも、暁斗さんの手が俺の服を脱がそうとしてるのも、全部全部お酒のせいだ... ... ...

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