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4-11 ※暁斗×響 弥生×千裕

コンコン... 「失礼します、お布団のご用意に参りました」 俺と千裕くんがキスに溺れてトロトロになっていた時、急に襖をノックする音が聞こえた。 食事を下げるだろうし布団も敷きにくる、なんてこと、もう何処にも頭になかった俺は乱れた自分の格好を整えようと立ち上がる。 「う、わぁ!!」 だけどフラフラの足元じゃいきなり立つなんて出来なくて、そのまま暁斗さんにダイブしてしまった。 そしてそのタイミングで開く襖。 真っ赤な顔した俺と千裕くんが、暁斗さんと主任の膝に... って、どう見ても『何かしてました』って思われる。 ヤバイ、ヤバすぎるだろこの状況!!! 「あらあらぁ、酔っちゃったのね」 「はい、どうしても飲みたいって聞かなくて」 「そうなのぉ。ウチで出すお酒は度数が高いから、潰れちゃうお客様多くて... あ、こちら下げますね」 「すいません」 俺の心配を他所に『ホホホ』って笑う仲居さん。 サッと食器を下げて、サッと布団を敷いて、ごゆっくりおやすみ下さい、と言うとササッと仲居さんは出ていった。 その早さに驚いていると、俺の身体がふわっと浮いて優しく布団の上に降ろされた。 ふかふかの布団は気持ちよくて、きっと寝心地もいいんだろう。 今すぐにでも寝ちゃいたいけど、さりげなく俺に跨がる暁斗さんはきっと許してくれない... 「え、えーと... ... 暁斗さん?」 「ん?」 「... ... ... な、何するつもり... ?」 「何って... 味見?」 横では既に千裕くんと主任が二人の世界に入っていて、熱烈なキスの真っ最中。 知り合いの居ない旅行先、お高い旅館で酔っぱらい、しかも見せつけ合うようにキスを交わしたあとに布団に押し倒される... と来ればもうこの先俺を待ってるのは多分1つだけ。 「大丈夫。最後まではしないから。ね?」 暁斗さんの微笑みと共に俺は口を塞がれた。 ✳✳✳✳✳ 「んっ、あ... や、ぁ」 「あんっ、あ、みきっ、」 横一列、綺麗に並べて敷かれた布団の上で俺と千裕くんは喘ぎ声を出す。 千裕くんと主任のエッチって、絶対主任が意地悪言って、攻めて攻めて攻め倒すと思ってたんだけど... 実際はそうでもなかった。 「千裕、可愛い。もっと声聞かせて?」 「んっ、みきぃ... !」 主任の声色はいつもと全然違うんだ。 優しいっていうか、愛しそうっていうか... ああ、本当に千裕くんのことが好きなんだなぁって俺にまで伝わってくる。 「何余所見してるの?」 「ち、ちがっ... !余所見なんか... !」 「ウソつき。弥生のこと見てたでしょ?」 「み、見てな... っ!」 「ふーん?... ... ま、いいや。響は俺のことだけ見てて。」 そして暁斗さんはいつもよりも何て言うか... 優しいけど、男っぽいっていうか... 例えて言うなら俺の想像したエッチ中の主任とか、ゲームの中の誠さんみたいな? 俺のことを『響』って呼び続けるところとかちょっと命令口調なところとか、そんな違いがますます俺をドキドキさせる。 暁斗さんは長く深いキスをしたあと、ゆっくり俺の身体に舌を這わせた。 ゾクゾクするような、焦らされてるような動きにいちいち反応してしまう俺。 その頃にはもう千裕くん達のことを気にする余裕なんて何処にもなくて、俺は暁斗さんの首に腕を回していた。 ... 暁斗さんの舌が、俺の貧弱な胸の頂をチロチロ舐める度身体がビクつくからだ。 「やっ、... そこ、やだあ... っ」 「嫌?本当に?」 「んっ、あ、だって... っひゃあ!」 「こんなに勃ててさ... 舐めてって言ってるようなモンなのに、嫌なの?」 「ああっ、ん、っふ、ぅ... 」 「気持ちいいでしょ?」 「ん、きもち、い... っ、からいやだぁ... っ」 だっておかしいじゃんか。女の子ならまだしも俺は男。なのに乳首を舐められて気持ちいいなんて。恥ずかしい、だから嫌で... でもそう言うと暁斗さんの口が俺の乳首をジュルッと吸い上げた。 「ひっ!?あああんっ」 痛いくらいに強く吸い上げられたのに、ビクン!と大袈裟なくらいに跳ね上がる俺の身体。 「最近弄らなかったからかなぁ... すっごい敏感になってる」 「あっ、あっ、やだっ、も... 乳首やだ... っ」 「乳首が嫌なら何処がいいの?」 「ど... っ、どこって... っ、ん」 暁斗さんの言う通り、最初は弄られた乳首はここ最近触れる程度でここまで愛撫されていない。だからなのか過剰に反応して、気持ちよくておかしくなりそう。 俺の下半身もはち切れそうなくらいに大きくなっているのに、まだ乳首を弄って焦らされるのはもう嫌だった。 ... だけど、『何処がいいの?』と聞かれて答える勇気、俺にはない。 「... 言わなきゃずっと乳首、だよ?」 「んん... ... っ!」 暁斗さんの舌が再び乳首を舐め出す。 もどかしい、気持ちよくて苦しい... (なんでこんなことに... ... ... !!!) ふかふかの布団の上で、俺は涙目で暁斗さんからの愛撫を受け続けた。

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