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「... ... うーん、それは無理、かな」 「え... ... ?」 そんな俺の動きを止めたのは、暁斗さんの言葉だった。 「すーっごく可愛いから響くんのペースでいいかなぁって思ってたんだけど... 」 「あ、暁斗さん... ?」 「そのお願いは響くんが言うことになると思うんだよね。」 「っ!?ああああっ!!!」 暁斗さんはそう言って意地悪く微笑むと、下から俺を思い切り突き上げた。 今まで動くことの無かった暁斗さんに油断していた俺は、いきなりの激しい動きに目がチカチカしてしまう。 「響くんは全部入った、って思ってたかな?」 「あっ... ああ... ... っ、」 「まだ全部じゃなかったんだよ?残念だね」 嘘、嘘だ... ... 。 俺は暁斗さんを全部飲み込んでたんじゃないの... ? 下半身を弄っていた手が離れ、暁斗さんの両手が俺の腰を掴むと、更に深く奥の方まで暁斗さんのモノが押し込まれた。 「ひっ!やぁっ!!だめぇっ!!」 「響くんったら、好きなとこ外してるんだもん。ココ、大好きだよね?」 「やっ、あっ、やだっ、あきとさっ」 「やだ?... ああ、ココ突いたらすぐイッちゃうんだっけ?」 「あっ、あんっ、あ、ああ」 「... ... 今度は俺が可愛がってあげるね?」 ーーー何が『暁斗さんをイカせる』だ。 暁斗さんは最初からそんなつもり、微塵も無かったんだ... 。 そう気付いたのはガンガンと突き上げられる最中だった。 俺が握っていたはずの主導権はあっという間に暁斗さんの元へと渡り、さっきまでの余裕なんかもうどこにも無い。 気持ちよさを味わうどころか、次から次へと押し寄せる快感の波に拐われて、俺は暁斗さんにしがみついて喘ぐことしかできなかった。 「ふぁっ、あ、ああーーっ」 「気持ちいい?この体勢だと奥までいっぱい入るもんね」 「やぁっ、も、奥、やだあっ」 「イッちゃいそう?」 「んっ、イッちゃ... あ、イッちゃうぅっ」 「じゃあお願いしなきゃね?」 「~~~~~っ!!!」 ニヤリと笑う暁斗さんは、少し前の俺と同じ顔をしていた。 気持ちいいところばかり狙い、『早く言いなよ』とその目が俺を誘う。 ... ... 悔しい。暁斗さんに敵わない自分が悔しい。 「... っ、お願い... 、イカせて... っ」 「どうやって?... 響くん、『ちゃんと』お願いしなきゃダメでしょ... ?」 「っ!?い、いじわる... !!」 「今日の響くんは特別エッチだったからね。ほら、言って?」 暁斗さんは俺より何倍も意地悪で、俺を苛めることが好き。 本当は俺が言わせたかった台詞を俺に言わせたのに、それ以上を要求する辺りが鬼のよう。 ずっと我慢している下半身は、多分弄らなくても欲を吐いてしまうだろう。 それくらいに限界が近かった。 「あ... 暁斗さんの、... っ、おちんちんで... 俺を突いて、イカせて下さい... ... っ」 ... ああ、またこの言葉を言うことになるだなんて。 ギュッと目を閉じ震える声でお願いすると、パン!と腰が打ち付けられる音が響いた。 「ああああっ!!!!!」 「ほんと可愛い。いっぱい突いてあげる。」 「ああっ、あ、あきとさっ、あきとさんっ」 「響くんの好きなココで... イこうか... っ、」 「っ!ひゃあああああっ!!!!」 最後の動きはもう気持ちいいって言葉じゃ足りないくらい凄かった。 怖いくらいに突き上げられて、前立腺ばかり狙われて、暁斗さんはワザとらしく俺の耳元で言葉を放つんだ。 そんなの我慢できるわけない。 俺を絶頂へと誘う動きはたまらなくて、すぐに俺は果ててしまった。 一週間分の精液を暁斗さんの身体にべったり飛ばして。 「っは、あ、... っ、ん... ... 」 「いっぱい出たね?」 「あ... っ、ごめ... !」 「いいよ、響くんのなら。それよりもうちょっと付き合って?」 「へ... ?... ... っ!ああああ!?」 「すぐイクと思うから... っ」 「まっ、俺っ、イッたばっかあ... っ!」 てっきり同時に果てたと思っていた暁斗さんは、イッたばかりの俺を再び突き上げた。 もう頭はふわふわして、喘ぎ声なのか悲鳴なのか、どんな声を出してるのかもよく分からない。 ただ暁斗さんの首に腕を回して感じることしかできない俺に『愛してる』って言ってくれたことと、俺のナカの奥の方で暁斗さんの欲が注ぎ込まれたことは覚えていたけど、俺の意識はそこでぷっつり途絶えた。 ✳✳✳✳✳ 俺が意識を飛ばしていたのは時間にして数十分のことだったらしい。 気が付くと暁斗さんに股がったまま、そして暁斗さんと繋がったままだった。 「抜いたら溢れちゃうかなぁって... 」 そう言った暁斗さんは少し恥ずかしそうに笑った。 この体勢はめちゃくちゃ気持ちいい。 暁斗さんを奥で感じて俺もちょっぴり大胆になれる、そんな体勢。 だけどナカ出しはやめた方がいいのかもしれない。 「せーので抜こう!ね!」 「え、ちょ、響くん!?」 「せーの!!」 「うわっ、ちょ!!」 「... ... あ、こぼれた... 」 後始末が大変で、あれだけ激しいエッチをしたあとなのに、二人で笑いながら精液を拭いて... なんてこと、多分暁斗さんとじゃなきゃ出来ないこと。 一週間ぶりのエッチに満足した俺たちは、一緒にシャワーを浴びて(その最中にナカを掻き出されて)、久しぶりに同じベッドで抱き合って眠ったのだった。

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